図書館の彼女
「はあ…」 小さく溜め息をついて、窓の外に目を向ける。木の葉が風に揺れ、気持ちの良い音を立てる。外は良い天気なのに、僕の心は曇り空だ。 今、彼女はどうしているんだろう。どこに住んでいるのか。誰と話しているのか。そんなこと、僕には分からないけれど、彼女のことを思い出さずにはいられない。1年前は、僕と君の心の距離はすごく近かったのに___________ 「彼女」と出会ったのは2年ほど前。僕が図書館で本を選んでいた時、偶然となりの本棚で本を選んでいたのが彼女だった。短い黒髪と大きな瞳、そして首にかかったお洒落なネックレスが印象的で、思わず見つめてしまった。僕の視線に気づいた彼女と目が合って、あわてて目をそらそうとした僕に向けられた彼女の笑顔がとても魅力的だった。 そして、僕は彼女に会いたくて毎日図書館に通うようになった。彼女は毎週水曜日に図書館に来て、僕達は窓際のカウンターの椅子に座り、話をするようになった。僕は毎週水曜日に図書館に来るのが楽しみになった。楽しみなのは読書ではなく、彼女の笑顔を見ることだったけど。 その日は雨だった。けれど僕は傘をさしてまた図書館に向かった。なぜってその日は週に一度彼女と会える、水曜日だったから。僕は本を選ぶふりをして、彼女がいつ図書館に現れるかを気にして入り口のドアをちらちらと伺っていた。なのに…… その日、いくら待っても彼女は来なかった。次の週も、その次の週も図書館に行った。けれど、彼女が再び図書館に姿を見せることは無かった。 それから1年、僕は家の近くのカフェで、また彼女のことを考えている。思いを告げることさえ出来なかったのに、まだ僕の心の中に住んでいる彼女。きっともう二度と会えない彼女。また彼女と会えることなんて無いと分かっているのに、なぜか期待してしまう___________ 今日は水曜日。彼女に会えるかもしれないという淡い期待と、もう絶対に会えないという深い悲しみを抱いて、僕はまた図書館に向かう。
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
ゆっ様です!
気に入りました!ほかの人の小説もグッときますが 凄いなと感じたのは、鈴音たまさんだけです! 私も「1%の片思い」という小説出しました! だいぶ前ですが読んでコメントくださいね! ゆっ様
好きです!
本当に年下ですか?年齢詐称してませんか?((すみません ロマンチックで素敵です!正直私恋愛小説は苦手なのですが、凄くグッときました! なんかこう…凄いです!((語彙力 ありがとうございました!
良いですね!
本当に同い年ですか? 凄いですね! 図書館にもちょっとロマンチック(?)みたいなことが起きるのか…。 今から図書館行きます! 現在午後十時五十六分です!行けるわけないですよね! 回答ギリギリですね…。 それでは、おやすみ! (今から寝るので)
つづきがきになる!
続きがとても気になりました! 楽しかったです!
めっちゃいい!
素敵です! そういうロマンチックな恋、私もしてみたい…。 僕、彼女に会えるといいなぁ。 めっちゃ良かったです! 素敵なお話をありがとうございます。