救世主の恩返し
暑い、息苦しい。速く此処から出たい。 まさに今、真っ暗闇の部屋らしき場所に閉じ込められている。 部屋だと予想がつくのは、自分がたてた音が響くからである。 暗くて何も見えない、自分の手や前髪すらも。 それより先ほどから散々歩き回っているが、扉が見つからない。 -つまり、出口が無い。 しかし、出口が無いということは入口もないということだ。自分は此処に一体 どうやって入ってきたのか?そもそも何故此処にいるのかというところからな気もするが…。 とにかく、速く此処から出なければならないことは明確だ。 此処はなんだか暑い。ずっと此処にいれば熱中症にでもなって死んでしまう。 しかも先程、小刻みに揺れていた気がする。なんなら一度大きめの衝撃もあったか。 助けを待つという選択を選べつつある自分に、今度は暑さと息苦しさに加え、空腹も攻撃を始める。 勘弁してくれ、と自分の胃に向かって呟くが、勿論その感覚は収まることもなく、 まるで面白がるように増していくばかりだった。 あれからかなり時間がたったが、助けが来る様子はなく、静まり返っている。 稀にプツ、プツという音が聞こえることがあるが、幻聴だろう、気が狂いつつあるのだ。 体内時計に問いかけても「時間は判らない」の一点張り。一体あれからどれほど経った? 意外と経ってなかったりして、なんて笑うたびに自分が狂ってることを自覚した。 ーそのときはいきなりやって来た。何の前触れもなく。 ``上``から光が差す。まぶしい、と思うのはきっと暗闇の中にずっといたからであろう。 「!おはようございます、」 突然目に飛び込んできたのは白衣の若い男。同い年くらいか。 寝かされいる体を起こしてまわりを見渡せば、白い壁に白いカーテンの窓、小さなテレビ、 黄色っぽい液体の入った袋…。 「此処は?」 安心したように微笑む男に問えば、すぐに答えは返ってくる。 「病室ですよ。貴方が目を覚まして安心しました。もう9年も眠ってたんですから。 あ、安心してください、医療費は全て僕が出しましたから」 少し頭が混乱するが、一番最初に気になったことを問う。 「…何故貴方が医療費を…?」 「…昔、弟が病にかかり、親も亡くし金も無く薬を盗ろうとしてみつかったとき、貴方が少ない小遣いで 薬を買ってくれたでしょう。その恩返しですよ。」
みんなの答え
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同じ雰囲気を感じます
病室で寝ていて,一瞬の出来事だけど,淡い夢から目覚める感じがいいです。年の差はありますが,わかります。主人公が夢から覚めた後が気になります。作品をヒモトイテイク内に判るようになります。そこがいいですよね♪