短編小説みんなの答え:0

天の川、売ります

『天の川、売ります。スター・ストア』 その看板を目にしたのは、夏休みの終わり頃のことだった……。 二学期が始まってすぐに、同じ天文部員の如月 達也先輩が引っ越してしまうことを知った日だった。看板は神社の前にひっそりと佇んでいて、少し寂しそうだった。 「天の川を売るって……一体、どういうこと? そんなこと、できるの?」 呟くが、もちろんのこと、返事は返ってこない。 「でも……」 本当に天の川が見られるなら……。 天の川を求めて、本当に来てしまったスター・ストア。 でも、目の前のシャッターには、古びたポスターが貼ってあった。 『長らくのご利用ありがとうございました。六月三十日 を持ちまして閉店いたします』 ポスターが、かさりと音を立てる。そんな……。 明日ある、先輩との最後の星空観察会、晴れて欲しかったのに……雨の予報が出るし、この店は閉まってるし……はあぁ……。 「君も、来てたんだ。リコちゃん」 ばっと後ろを振り返ると、そこには 「如月先輩! なんでここに?」 「俺も、同じこと考えてたんだ」 くしゃっと笑う。 「先輩……あの……」 私は、ずっと貯めていた思いを呟く。 「私、本当は天の川の下で告白したかったんです。でも……でも、天の川がなくても、後悔しないうちに言っときます。 私は、先輩のことが好きです!」 その後に、付き合ってください、は続けない。 「だから……向こうの学校でも、頑張ってください!」  顔がほてる。それを隠すように、うつむく。 「リコちゃん」 如月先輩は、優しい笑みを浮かべていた。 「離れても、一緒に星空観察会、しよう。……俺も、好きだった」 ハッと顔をあげる。 天の川よりも美しい笑顔が、そこにはあった。 むぎわらぼうしです! よろしければ感想よろしくお願いします!  誹謗中傷、辛口、遠慮していただけると結構です! タメ口大歓迎!

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