【短編小説】一つの幸せ
私が通っている塾は、恋愛禁止の塾。 その塾は本気で有名校、私立校を目指している人が集結している所でもある。 私、藍は幼い頃から親の期待に応えるために毎日頑張っていた。 ゲームができなくなっても、 友達と遊べなくなっても、 私は毎日頑張っていた。 「はじめまして。今日松井さんを担当する、日比野源(ひびのげん)といいます。」 「松井藍(まついあい)です。よろしくお願いします。」 「では勉強を始めます。大学受験ですよね?」 「はい。」 かなり普通な会話だが、藍は、ドキドキしていた。 藍は、小さい頃から恋愛をしなかった。というより、親がさせなかった。 恋愛は勉強の邪魔。藍はいつもそう言われてきた。 この塾に入ったのだって塾内恋愛禁止だという決まりがあったからだ。 だから親は 個別にしたし、先生も女性にした。 今回ばかりは油断してしまったのだろう。と藍は思った。でもその油断がいけなかった。 3時間の個別指導が終わったあと藍は、先生に恋をしていた。 しっかり丁寧に教える態度、自分の知ってる事は全部出来る限り教えようとする態度、藍の事を思いやる態度も、藍は全て好きになってしまった。たった3時間だけだったけれど、藍はその先生を好きになった。 他の人から見れば薄情だなと思うかもしれないけど藍は先生を好きになった。 でも、きっと駄目だ。 親がだめという。 生まれて初めて親が憎くなった。 でも、叶わないという真実は何一つ変わらなかった。藍は、気づいていたのだ。 あれから2年後 日比野は結婚していた。 そして隣にいる妻は妊娠していた。 「パパ、この子の名前、どうする?」 「うーん、藍菜はどうだ?」 「え、、、うん、なんか意外だね!でもいい名前。それって誰かの字?」 「ああ」 日比野は静かに思い出した。 俺には好きな子がいた。まだ二十歳の頃か。まあ、2年前だが。俺は塾講師をしていた。その子は藍と言ってとても可愛く、でもどこか切ない子だった。 だから俺はそっと紙の端切れに書いた。 あてもなく『頑張れ』と。 その子はビックリしていたけれど俺に微笑んでありがとうと言ってきた。 その瞬間俺はあの子が好きになった。 自分の娘にも、藍と名付けるほどだ。 そしてある日あの子が塾に来た時告白した。けれどその子は謝った。多分塾内恋愛禁止だったからだと思う。 「藍って字、あの子のこと?2年前に一度だけあなたが担当した。」 「は、、、?どうして知ってんだ?同じ講師だったとしても、個別だし、よく覚えてるな?」 「私あの子に救われたもん。」 妻は静かに思い出した。 源の妻、私は2年前幼なじみの源に想いを馳せていた。 源はよく話す友達で、私はいつの間にか好きになっていた。 でも二人で講師のバイトを始めて2ヶ月ぐらいしたら、源は私と塾内で話さなくなった。塾内では恋愛禁止だけど、バイト期間が終わったら告白しようと思ってた。なのに源が私と話さなくなった理由を知った途端嫉妬心で狂いそうになった。源は塾の中の子を好きになってしまっていたの。焦った。そしてある日その子に呼び出された、怖かった。 「大丈夫です。あなたの気持ちはわかります。断りますから」 その時は信じられなかったのと、嫌味を言われてるのかと思ったけれど、、、 違ったのね、、、ありがとう 妻は源にもわかるように丁寧に一言一言話した。 源は涙を流した。 あの子は気遣ってくれてたんだ。 そして最後に二人は 「「ありがとう」」 と言った。 藍は、成人して二十歳になった。 先生。私ももう二十歳になったよ。 先生は今幸せですか?私はいつまでも先生が好きです 藍の心優しさが一つの幸せを生み出したのだ。end 長文でした!ここまで読んでくれた人感謝です!この話はどうでしたか、辛口、タメ口全然オッケーです!よろしくお願いします