星空急行列車のお茶会
生きる意味が分からない。私はそういう人間だ。いつ死んでもいい人間で、でも死なない。死のうとしない。今日も屋上で黄昏時を満喫する。ふさっと生暖かい春風が吹く。 「なにこれ…?」 手には星空急行列車乗りと書かれた切符。するといきなり、周りが一気に暗くなり、空にはたくさんの星が見える。 「まだ、夕方だったはずっ」 まだ、状況をよく飲み込めず、困惑する。上の方から、ガタンゴトンと列車の音がする。キキィーと、ここで列車が止まる。中から男の人が出てきて、 「切符を拝見します。」 と言う。私は訳もわからず切符を差し出してしまう。 (乗っちゃったっ…) でも、都合が良い感じがする。この列車でずっと彷徨っていれば、死んだことにならないだろうか。 「何か、お飲み物など、この中からお選びください。」 女性がメニューを差し出す。なんだか、わからないような名前の飲み物やお茶菓子がたくさん。何にしようか迷っていると、 「天の川のハーブティーと北極星の琥珀糖を。後、星屑をお願い。彼女にもお願いね。」 と、声がする。 「はい、かしこまりました。」 女性はそう言うと、どこかに行ってしまった。 「あ、あのっ!ありがとう、ございます…」 「いいの。全然。」 女の人は、私の向かい席に腰掛ける。何処か知っている雰囲気の人だ。特に話すこともなく、風景を眺める。辺りは、星がたくさんある。ここは、星空なのだ。と、改めて思う。女の人が、話しかける。 「綺麗?」 「えっはい。」 「うふふ。そうでしょ。私も二回目だけど、何度見ても心を奪われちゃう。」 そんなことを話していると、お茶と菓子が来る。女性が、席の真ん中にある机に、ティーカップや、ティーポット、琥珀糖が乗っている皿、星屑が中に入っているであろう小さな壺を乗せる。女の人は、代金を払うと、お茶をカップに注ぐ。 「ありがとうございますっ。」 と言い、お茶を飲む。ハーブの風味が口いっぱいに広がって、美味しい。 「星屑をかけてみて。」 と言われ、かけてみて、すする。さっきとは少し違う風味が広がり、こちらも美味しい。琥珀糖もほうばってみる。甘くて、お茶を飲みたくなる味だ。 「ねぇ、今生きる意味がないと思ってる?」 そう聞かれびっくりする。 「はい…」 「私も、仕事で失敗を連発しちゃって。生きている意味なんてないんだってまた思っちゃった。」 「え?また?」 「うん。あなたぐらいの歳の時にね。でも、ここに乗って、女の人に会ってこれを頼んでもらってね。」 まるで今の私だ。 「でも、あなたはきっと生きてて嬉しいこともあるから。認めてもらえるから。それまで精一杯努力してみてね。もし、また思っちゃったら、これまでの嬉しいことを思い出すの。あはは。これ、私が前に言われたの。心に来たんだ。それから、この言葉のとうりに生きてたら、楽しくなっちゃた。でも、私もこの列車に乗っちゃうってことは、まだまだなんだなぁって。」 ああ、もしかしてこの人… 「あの、貴方って!?」 「うふふ。そのうちわかるかもね。」 そう言われると、また生暖かい風が吹く。気がつくと、黄昏時で、あの屋上だった。 数年後。私は仕事で失敗を連発してしまい、生きてる意味なんてないのかな。って思う。すると、生暖かい春風が吹いてきて、あの列車だ。そして、私がいる。メニューを差し出され、困っているようだ。 「天の川ハーブティーと、北極星の琥珀糖を。後、星屑をお願い。彼女にもお願いね。」 と、あの私みたいに言ってみた。 ------------ーーー どうも、雑魚な背後霊です。読んでいただきありがとうございます。
みんなの答え
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ほぇ…
こんにちは!雪見大福です え、すげぇ… 本当に私と同い年ですか!? 星空急行列車は過去と未来を繋いでる列車なのかなぁ…(個人的な考察) これまでの話も読んでみます! 次回作楽しみにしてま~す それでは!
描写が綺麗ですね!!
もっけ飴です(*´∀`*) 描写が綺麗すぎて思わず物語に引き込まれてしまいました! 四作目だと書いてあったのでその前の作品も読ませてもらいましたが、どれも世界観がとても綺麗ですね! 文章もしっかりしていますし!(語彙力皆無の私が言えることではありませんが…) 雑魚な背後霊さんの作品ファンになりました! また次の作品お待ちしてますね♪ それでは~。