フルーツゼリー、作ってよ
もう十年近く前、隣の家に、同い年の少年が引っ越してきた。名前は、キリヤ。 さらさらの茶髪が特徴的なキリヤは、ある特技があった。 それは、フルーツゼリーを作ること。 まだ幼稚園児なのに、フルーツゼリーを作ることが天才的にうまかったのだ。 「ねーキリヤ、昨日みかん狩りに行ってきたの! このみかん、使っていいよ!」 と私が言うと、 「じゃあフルーツゼリー、作るね!」 顔をパッと明るくして、キリヤはエプロンを手に取ったっけ。 でも小学校に上がったあたりから、お互いの友達と遊ぶようになり、次第に二人で遊ぶことはなくなってしまった。 そこから十年後のことだった。 ある日高校から帰ると、家の前に誰か倒れていた。 さらさらの茶髪……キリヤだった。 「きっ……キリヤ? キリヤっ!」 昔みたいに呼びかけても返事をしない。 そのままキリヤは、救急車で運ばれていった。私はただただ、呆然と立ち尽くしていた。 数日後、キリヤのいる病院へお見舞いに行った。 キリヤは真っ白なベッドの上で、眠っていた。あの日から、一度も目を覚ましていないらしい。長い睫毛がやけに目立つ。 もう、目が覚めないんだろうか……。 「キリ……ヤ……っ」 気がつくと、目から熱いものがこぼれ落ちていた。その滴を乱暴に拭って、キリヤに向かって叫ぶ。 「キリヤっ! 寝てばかりいないで起きてよ! グスッ、心配してんだから! グスッ、早く目を開けてよ……」 そして、一際大きい声で、こう言った。 「寝てないで、フルーツゼリー、作ってよ!」 その瞬間だった。 ぱちり。キリヤの目が、開いた。 「ん? 真里奈……?」 その声を聞いて、私はますます泣き出した。 「うあーん、キリヤぁーっ!」 「おい、どうした真里奈……」 私は、安心したのと怖かったのとでつい、言ってしまった。 「私、キリヤのことが好き! だから、心配だった!」 キリヤは目を見開いた。 「そうか……じゃあ」 優しく微笑んだ。 「その告白の答えはさ」 悪戯っぽく笑った。 「フルーツゼリー作ったら、言うな」 昔と同じ、明るい笑顔だった。 作者のむぎわらぼうしです! 感想お待ちしています! 辛口エヌジーで!
みんなの答え
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おお!
すごいです!! や、もうこれはokする流れですね?! …フルーツゼリー食べたくなってきちゃった笑 また書いてくださいー!
すごいい~
すごいやっぱり 小説書く人ってほんとすごいね これからも頑張ってください よーし次の話も読むぞー