祭りの日とりんご飴
カラン、コロン、カラコロン……。 慣れない下駄の音が響く。浴衣も、ひらひらとひるがえる。 今日は、この街が一番盛り上がる、秋祭りの日だ。神社を中心に屋台が立ち並び、盆踊り大会やクイズ大会などイベントが盛り沢山! それに今年はなんと言っても……コウとの約束がある。 小3から四年間、ずっと片思いしていたコウと、神社の鳥居の下で、待ち合わせすることに成功したのだ。祭りのメイン、打ち上げ花火が上がった瞬間に、告白する予定。 カラン、コロン、カラコロン……ガギャン! いきなり、足が滑った。ヒリヒリと痛む。 「うう、いったーい!」 傷の手当てをしたいところだけど、待ち合わせまではあと3分。休んでる暇はない! 浴衣の裾をなびかせて、私は思いっきり走り出した。足はどんどん痛みを増していく。あともう少し、頑張れ頑張れ! 「……お、梨沙」 コウは、鳥居の下でおとなしく待っていた。目がキラキラしていて、相変わらずかっこいい。 「あ、コウ、えっと」 私が話しかけようとすると、コウはどこかへいってしまった……。 これって、ふられたってことなのかな? がああああん……。 頭がハンマーで殴られたみたいにぼんやりする。ああ、ついに頭がおかしくなったのか、コウの人影みたいなのまで見え始めたよ……。 ん? コウの人影? 「なんだ梨沙、置いてったと思ったか?」 本物のコウだった。両手に何か持っている。 コウは苦笑しながら、私の隣に立った。 「はいこれ、絆創膏。救護用テントから持ってきた」 私の足に、わざわざペタンと貼ってくれた。顔が赤くなる。 そして、もう片方の手に持っていたものを見せた。 「これやる。好きだろ?」 その手には、りんご飴。私の好物だ。 「足の痛みなんか、これで忘れな。俺のおごりだから」 そういってから、くしゃっと笑う。 ありがと、と小さく呟き、りんご飴を舐める。 甘く、ほんのり酸っぱい、恋の味がした。 むぎわらぼうしです! ここまで読んでくれてありがとうございます! よければ感想お願いします!辛口はエヌジーでよろしくお願いします!
みんなの答え
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すごいです!!
むぎわらぼうしさん、あなた才能ありますよ!!ホントに!オノマトペの使い方とか、さりげない彼の優しさとか。終わり方とか。特に、告白するって最初に言ったのに、結局しないで終わる所とか『もっと見たい』って私の気持ちを引き出してきて…こういう人が世の中を変えるんだなって思いました。