サンカヨウの少女
雨が、今日も降っている。僕の住む街ではずっと雨が降っているのだ。僕が生まれた時も、祖母が生まれた時でもだ。この街の人たちは、雨が止んでほしいと誰でも願っていて、どの家にも必ずと言っていいほどてるてる坊主が飾ってある。話は変わり、今日は幼なじみのカヨと出かけることになった。実は、僕はカヨが好きなのだ。 「あ、ヨウ君っ!」 と、カヨが手を振る。 「おーい、カヨ」 と、僕も手を振り返す。今日は、カヨに告白しようと思っている。僕らは、近くのショッピングモールに行く。カヨと買い物を楽しみ、お昼を食べる。食べた後は、また少し店を回ることになった。途中花屋を通ると、カヨが立ち止まる。 「カヨ?」 「あっごめん」 カヨが見てたと思う、花を見る。…サンカヨウ? 「い、行こっ」 とカヨが言う。さっきのサンカヨウのことが気になってしまう。 一通り買い物などが終わり、僕らは、家路を辿る。…そろそろ、言わなくては。 「ねぇ、」 と、カヨと僕の声が重なる。 「カヨから言っていいよ。」 「うん。」 と、カヨが言う。どこか、悲しそうな顔をする。 「ヨウ君、サンカヨウって知ってる?」 「サンカヨウ…?あぁ、カヨが見てた花。」 「それ、雨に濡れると、透明になるの。でね、それ私なんだ。」 「えっ?」 どういうことだかわからない。つまり、カヨは雨に濡れると透明になる…? 「なんで、そんなこと…いつ、知ったの?」 「夢で、誰かに言われた。」 と、言いカヨは傘から少し指先を出してみる。すると、指先が雨に濡れたかと思えば、透明になっていく。 「夢で言われたことだと、私は全身が濡れると、本当に消えちゃうんだって。」 「そう、なんだ…」 ショックを受ける。この雨が降り続けるこの街でカヨは消えてしまうかもしれないリスクを背負いながら、生きていたのだ。 「次はヨウ君の番。」 と、カヨが言うと、強風が吹き付ける。途端に、僕とカヨの傘が飛ばされる。 「あっ」 カヨの体はみるみるうちに透明になっていく。カヨは最後に呟く。 「好きでした。ヨウ君。」 と言うとカヨは消えてしまった。僕たちは両想いだった。 「僕も、好きでした…」 ずぶ濡れになった僕の顔を涙がもっと濡らす。この想いは、もう届かない。 ------------ーーーーー--------ーーーーーーーーー どうも、雑魚の背後霊です。サンカヨウという花を思い出して書きました。ちなみに、二人の名前はサンカヨウの一部から取ってます。では、感想などお待ちしてます。
みんなの答え
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カヨちゃん…!
お花の新しい使い方を知った…面白かったです! 素敵なお話をありがとうございます(≧∇≦) 雑魚な背後霊さん(名前結構好きです(笑))を楽しみにしてます!
また見に来ました!
もっけ飴です(*´∀`*) 雑魚な背後霊さん、こんにちは! また作品読みました。 今回もとても良かったです! 描写が丁寧で、分かりやすくて。 それに、花をモチーフにするとかお洒落すぎません…!? もう尊敬です! また次の作品待ってますね(^^) それでは~。