負けました
しばらく、君と俺は見つめ合っていた。 まだ、触れ合ってもいないのに君はしっとりと汗をかいていた。 あの人の自然の雄大さをそのまま瞳に引き写したような緑色の瞳に見つめられると、自分がほとんど素っ裸であること がひどく無防備に思えてくる。あることがひどく無防備に思えてくる。 あの人の故郷のヨーロッパの小さな国では男の人は皆、こんなに逞しいのだろうかと一瞬考えたがすぐにそれを打ち消す。逞しいだけじゃないし、ここまでのは同じ人じゃなければいけない。 君が突進してきた。すぐに俺は抱きすくめられる。 君は俺の耳元で激しく叫びながら俺の肌を覆う唯一の物に手を伸ばした。 あ、だめだ。 このままだと主導権を握られてしまうと思った時にはもう手遅れだった。 そのままがぶり寄ると俺は土俵の外に飛ばされていた。 良くやったよ、桜翔魁(おうしょうかい)。横綱になったね。