短編小説「いつか。」
「泣くなよ。ひでー顔になってんぞ。」 泣き虫の私に、彼はよく、そう言った。 彼の名前は奏汰。私の家の二軒隣に住んでいた。口が悪くて、ぶっきらぼうで、でも本当は優しいのを知っていた。私が友達とおそろいのブレスレットをなくした時、必死に探し出してくれたことがあったから。 奏汰は小学校に上がるときに、親の仕事の都合で引っ越すことになった。引っ越す直前に会いに行った時、案の定、私はボロ泣きした。 「泣くなよ。ひでー顔になってんぞ。」 やっぱり彼はそう言った。でも続けて、 「絶対また会える、いや会う。」 と言ってくれた。 「本当に?」 「ああ、約束。」 こうして、私たちは別れた。 「由実、遅刻するわよー!」 「嘘、もうこんな時間!?」 昨日まで夏休みだったから、つい寝坊してしまった。 「行ってきまーす!」 私は急いで学校へ向かった。 「はぁー。」 走ったおかげで、予定より早く学校に着きそうだ。息を整えながら歩いていると、少し下を向いていたせいか人影に気づかず、ぶつかってしまった。 「あっすみません。」 私が謝ると低い声が聞こえてきた。 「相変わらず鈍臭いなぁ。」 顔を上げると、どこか見覚えのある顔がそこにあった。 「まさか、」 「そのまさかだよ。」 「嘘...。」 目頭が熱くなってきた。 「言ったろ?約束だって。」 「奏汰...。」 「泣くなよ。ほんと変わんねーな。」 「まだ泣いてないし。」 そういう奏汰だって、中身は昔のままだ。 「俺、お前と同じ学校に行く事になったから。」 「えっ!」 「またよろしくな、由実。」 信じられない。また一緒に過ごせるなんて。 「うん、よろしく。」 期待で胸が高なった。 あとがき こんにちは、作者のみよはです。読んでくれてありがとうございます。だいぶ展開が早く、長い話になりました。この後どうなったかは、皆さんの想像にお任せします。それでは、またどこかで。
みんなの答え
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無題
タイトルと文の初め(何て言うんでしたっけ)に惹かれて来ました() 素敵な小説でした。次も是非書いて下さい