短編小説みんなの答え:1

ガラスの向こうの永遠を

あっ、まただ。 こういうこと、何度めだろう。何度体験しても、そのたびドキッとさせられる。 授業中、休み時間中、部活中、廊下ですれ違うとき……。そんな何気ない日常で、君と一瞬視線が交わる。君の瞳に僕が一瞬映し出されて、一瞬世界が停止する。このたった一瞬が、僕にとっては永遠の魔法になる。 かわいくて、明るくて、スポーツも得意で、クラスの人気者。「完璧」がセーラー服着てるみたいな君に比べ、僕は平凡中の平凡だ。だから、この気持ちは誰に言うつもりもない。言ったところで「釣り合ってなくね?」と笑われるだけだ。釣り合ってないなんて自分が一番よくわかっている。透明なガラスの外からガラスの内側で輝いている君を眺めて、ほのかな憧れと淡い恋心を抱いている、おろかな脇役。勿論、主演の君は僕の気持ちになんて一生気がつかなくて、そしていつか君の隣に似合う相手が現れるのを遠くから見守るんだ。僕の役は、そんなもの。 そんなものだと思っていたのに。  君とほんの一瞬でも目が合うだけで、僕は勘違いしそうになる。1%くらいなら可能性あるんじゃないかななんて、馬鹿な幻想を抱いてしまう。奇跡に奇跡が重なってそんなこともあるんじゃないかと思ってしまうのは、全部君のせいにできてしまえばいいのに。 視界の端で君が笑う。花が開くように、ふわっときれいに笑う。 僕の中で、何かが弾けた。 ガラスの内側へ行きたいと、強く強く思った。 君がガラスを割ってくれるわけないなら、僕がこの手で打ち砕くしかないんだ。 「遠藤さん」 そっと君の名を、でもしっかりと呼ぶ。 ふわりと髪を揺らして、君が振り返る。大きな瞳が僕に「何?」と問いかける。 時間が、ゆっくりと止まる。 「なあに、栗林くん」 彼女が微笑む。今まで一瞬しか映ることのできなかった瞳の中に、僕がずっと映されている。 伝えたい。ちゃんとこの気持ちを。はじめからあきらめたりなんかしないで。 僕は彼女の瞳をまっすぐ見つめかえした。 遠藤さん、君が好きです。 END

みんなの答え

辛口の答え

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表現が好きです!

面白かった!最高です!! 届かない恋を「ガラスで隔てられている」と表現する如月さんの想像力が大好きになりました! 応援しています!また書いてください!


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