不具合の私、空を踏んで君に会いに行く。
マントを着て、空を踏む。 私が笑った時、君が笑い返してくれた。 それが、私にとっての一番の幸せだった。 そんな君を奪ったあいつを私は許さない。 何で置いていったの? この先になにもなくても、私は諦められないよ。 この上に君がいるって、みんなそう言った。 信じていいんでしょ?それがあいつの作った作り話でも。 『笑ってみて?ほら、きっと綺麗。』 君がそう言ったから、君しかそこにいなかったから、私は笑った。 何年ぶりに笑ったのかわからなかった。 筋肉がこわばっていて、あまり動かせなかったのは覚えている。 ぎこちなかったと思う。 けど、君が笑い返してくれた。 嬉しくて、自然に笑顔になれた。 それなのに。なんで。まだもっと一緒にいたかった。 一緒に笑いたかった。 濁ってない、綺麗なままの空を見て、一緒に笑いたかった。 あの頃の私には、綺麗な空だった。 けど、今は汚く濁っている。 君を奪った空。 それを思うだけで泥になる。 私の目が濁ったのか。 そうじゃない。そう信じてる。 君を見せまいと渦巻くこの雲も。 私を止めようとするこの凍てつく空気も。 全部、あいつの作り物。 歩くテンポを上げる。飛び石をはねるみたいにポンポン歩く。 どんどん雲に近づく。 何にも怖くない。 ただ君に会いたくて。もう一度会いたくて。 手に入れたこの力は君のため。 空を踏んでやる。踏みにじってやる。 知ってる。 私があんたの作った「人間」じゃないって。 そうじゃなくなったって、背いてるって。 だからなに?あんたの製造ミス。 それをうまく使ってやる。 雲を突き破った。 「カエデ!いるんでしょ?ねぇ。」 周りを見渡す。 白色の人型のぬいぐるみがひとつ。 よく見ると、君の顔に似ている。 すると、鳥たちがやってきて、ぬいぐるみの縫い目をほぐし始めた。 「やめて!」 もう、なんでもいいから、君の形をしたものを手放したくないよ。 ぬいぐるみに覆いかぶさって、必死に守る。 それでも、破かれた。中から君の影が出てくる。 「カナデ…。どうして?行かないで、置いてかないで。君の前でしかもう笑えないよ。」 『そんなこと言わないで。ほら、笑って?綺麗だから。」 昔と同じ声。優しい声。 泣きながら、笑ってみせる。 『そう。綺麗。またすぐ会えるよ。』 君が笑い返す。 すると、君は消えてしまった。 笑いが崩れる。私はきっと「不具合(バグ)」としてこの世界から消える。 けど、けどやっぱり。 あんたの作った世界は正しいのかもしれない。 こういうのがこの世界のいいとこだって初めて気づいた。 ありがとう。最期に会わせてくれて。 製造ミスだけど、故意だったんでしょう? あんたがそこにいると願って、笑顔をつくる。 砂みたいに消えて、私はなくなる。 消えた先に、君はいた。 抱きついて、今度は私が、君に笑い返す。 コメント うにゃ。 特に言いたいことはないですね。 うん。 あ、夏休みがもう終わるので、投稿頻度かなり減るかと思います。 読んでくださってありがとうございました。 感想いただけると嬉しいです。 また次の機会にー! by地縛霊
みんなの答え
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ぬわわわ!
またまた、素敵な小説かくねぇ!! さすが、地縛霊ちゃん!!素敵!!
やっほぉお!地縛霊ちゃん!
なんかこう、めっちゃすごい人が かいてる、めっちゃすごい小説を 読んだ気分になった!…要するに 地縛霊ちゃんはめっちゃすごくて めっちゃすごい小説をかくすごい 天才な人だってことだ!!!!! (((語彙力ぅうううう)))とりあえず 地縛霊ちゃんの素晴らしい小説を 読めて良かった!ありがとう!!
うっ…
自分の読解力を恨みます…こんなに良い話…! すごく好みな感じでした…読んでいて、名作を読んでいる時の胸の感じに…うーん、言葉では表せないのですが…。 とにかく面白かったです!次作も楽しみにしています♪