私のお兄ちゃん
「この本、どうだった?」 感想を聞かれ、私は素直に答えた。 「主人公に捕まって欲しくないって思った。家族のために、傲慢で自分勝手で最低な義理のお父さんを殺したのに、捕まるなんて。主人公が選んだ選択が捕まることじゃなく、自殺だなんて辛いよ。悲しいよ。むごいよ。ひどいよ。でも、それでも、義理のお父さんは妹に会いに来たのかなって思うと……」 昌幸(まさゆき)お兄ちゃんはそうだと言うように笑った。 また次のときも昌幸お兄ちゃんは本を勧めてきた。 感想を聞かれて、私は答えた。 「苦い。すごい苦い。題名の意味が分かった瞬間、胸がキュッと苦しくなる。こんなことがあったんだ。残酷っていう一言で言い表せないなって。生きたまま殺される。弱かったらいつか悲鳴も上げられなくなる日がくるなんてすごい……その……」 言葉が見つからない。なんとか、私は絞り出した。 「むごいなって」 お兄ちゃんは悲しそうに頷いた。 そして、今。 お兄ちゃんは私のそばからいなくなった。 車に轢かれて。 お兄ちゃんは本を読んでも本を読んでも、見つからない、行けない場所に行ってしまった。 お兄ちゃんは私に言葉を、本を、外の世界を教えてくれた大切な人。 滂沱と涙する私を両親は優しく放っておいてくれた。 だから、私はこれまで以上に本を読むようになった。 お兄ちゃんが面白いと言っていた以外にも、自分が気になった本を読むようになった。 読書家のお兄ちゃんを目指そうと思った。 尊敬してるよ。お兄ちゃん。
みんなの答え
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私と同い年なのにすごい
感動しました。お兄ちゃんの気持ちがものすごく伝わりました。 同い年なのにこんなに起承転結がすごい。 私よりすごいです!小説書くときの勉強になりました。
おお…!
フルート吹きの元ゆんです! なおちゃんって呼んでね! 【本題】 妹がお兄ちゃんを想ってるってことがすごく伝わってきたよ!! すごく良かったです! 良い小説をありがとうございました!