【短編小説】かざぐるま
目があった、 気がした。 男女で共通する脈ありサインって、色々あるけれど、やっぱり一番は、好きな人のことを目で追ってしまうことだと思う。それも、無意識に。 チラッと視線を向ける。 いつものように友達と笑っている姿に、ついつい微笑んでしまう。あの笑顔が見られるだけで本当に幸せ。 もちろん、もう一人の自分は隣で自分も笑っていたいなんて思っている。欲張りだろうか。 もう一度周りの目を盗み、チラッと見てみる。ちょっとはしゃいでうるさいけど、離れてても声が聞こえて嬉しい。 気付いてくれないかな、でも気付かれたら嫌だな。 恋って本当に矛盾ばっかりだ。 そんなこんなでいつも見てしまう。きっと思っている以上に見てしまっているだろう。ほら、無意識に見ちゃうから。 見る見る言って馬鹿みたいだな。まあ心の中だけだけどね。 くるくると表情を変える君ってまるで風車みたいだよな。はねの色がそれぞれ違ってさ、回って色んな色になるんだ。 ゆっくりになったり、はやくなったり、混ざったり、逆回転になったり。 今は赤とか黄色とかかな。 くるくると回る風車を、君の表情に重ねると、なんだか幸せな気持ちになってしまって、微笑んでしまう。いや、にやけてるかも。 最後にもう一度だけ、そう思って視線を君に向けた。 目があった。 パッと目を逸らす。どうしよう。気付かれた?だんだん顔が赤くなっていることを感じる。そもそも自分が見てたんだから失礼だったのでは? 「授業始めるぞ。」 先生の声を聞いて、みんなが席に戻っていく。 君の顔を見ることが出来なかった。 数式を解いていると、徐々に冷静になっていった。結論としては、君とは目が合っていない。きっと、自分が頭の中で都合よく解釈してしまっただけなんだ。 第一、君はもう知っているんだ。でも、優しいから気付かないフリをしてくれているんだ、きっと。 ふぅーと思わずため息が出る。 もう恋って面倒だな。君にも迷惑だからやめようか。そうだ、頑張って諦める。 決意して、ノートに問題を書こうとする。 そこには、下手な風車が描かれていた。 決意した側から、馬鹿だな。ほんと、矛盾ばかりだ。 涙はこらえる。声もこらえる。 恋をする者の心も風車みたいだ。 気持ちがくるくると、入れ替わる。 その風車は、どうしても消せなかった。
みんなの答え
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無題
「恋って本当に矛盾ばっかりだ。」この台詞に共感できました。 何か…好きです(
わっかんないけど
わかんないけど泣きそうになりました(笑)え、なんでなんだろう。共感?したのかな…? 描写が綺麗で、引き込まれてしまいました。風車…えー、風車好きになりました(単純)。 素敵なお話ありがとうございました! 次作、楽しみにしています♪