短編小説みんなの答え:1

無機質な君は ─鏡国─ 【ファンタジー】

俺は彼が苦手だった いつも機械のように何事にも無関心で ぼーっとしていて まるで、感情なんてないみたいだ 不覚にも、そう思ってしまった 俺はその思いをすぐに掻き消した あまりにも失礼じゃないか 学校の机の配置だと、斜め前の席の人がよく見える 俺は黒板を見るふりをして、斜め前を見た 八雲…彼は説明を聞きながら、瞬きを繰り返している 1、2、3、4、5… 絶えず瞬きを繰り返す彼に、 俺はクエスチョンマークを頭に浮かべた 何であんな瞬きしてんの? でも、ノートはしっかり取ってるようだ だが、何事にも無関心で… 本当に彼は無関心だ 自分のことに関しても 夢遊病者みたいだ、彼は 自分の現在(いま)を 淡い夢だとでも思っているのだろうか そんな彼が、俺の前で初めてその仮面を脱いだのは 理科の実験の授業だった 炭酸水素ナトリウムの熱分解を調べるらしい 俺の学校の先生はそれを“菜穂子さん”と教えたため、 みんながみんな「菜穂子さん燃やすんだ」と笑う 中には「菜穂子さん燃やさないで!」と 某有名ファンタジー作家を指す女子もいる 実験を始めた直後、彼の目が静かに輝いた テキパキと試験管にチューブを繋ぐ彼に 驚いたのは俺だけではないようで。 「八雲くん凄いね」 同じ班の女子が感慨深げにそういった 親かよ でも、確かに彼の手付きはいかにも手慣れていて とてもじゃないが、初めてとは思えなかった 『進藤くんはこの実験したことあるの?』 俺が聞くと、彼は瞬きを繰り返した 少し首を振った その反応に女子は初めてなのに凄い、と声を漏らす その時はうまいなくらいしか思わなかった 無関心なのは俺の方だった 放課後の教室で彼と出会う前は そう、あの時が堺だった 俺は恥ずかしいことに、忘れ物をして教室に戻った その時。 誰もいないと思っていた教室に、 彼はいた いや、進藤くんにはとても見えなかった 俺は固まった ヒラヒラのレースがいくつもついた服 何重かになったスカート それはどう見ても女のものだった 服装だけでは別人に見えるが、俺には分かった 瞳が同じだ 気配に気づいたのか、彼…進藤くんは素早く振り向いた と思った時には、壁に押し付けられていた 『し、進藤くん?』 俺が掠れた声で言うと、進藤くんは言う 「誰にも言わないでください」 その目は真剣味をおびていて、声はいつもよりも高かった 『き、君は…君は… 女なのか……?』 「そう。 でも、私は男として育てられた」 『なぜだい?!』 「だって…私は… メース王国第一王女だから」 全身を板で殴られたかのような衝撃が走った 俺は酸欠の魚みたいに口をパクパクとさせた 声が出なかった 進藤くんが王女? メース王国ってどこだ? 「メース王国とは、分かりやすく言えば、異世界です。 この学校の理科準備室の、 使われてない大きな鏡を使って行くことができます きっと、魔術か呪術の類でもかけられたのでしょう」 『魔術…呪術…』 「貴殿に移動の行程を見られてしまったのは、 私の失敗でした。 ですが、貴殿は中央委員を務めるくらいの 信頼や人柄はあるようですね。 きっと、秘密は守ってくれると信じています ただ、その秘密の重要性は分からないかもしれません。 メース王国に来てください。 話はそれからです」 夢じゃないだろうな 俺は目をぱちくりさせた 『な、何で君は…男だと偽っていたんだ?』 「それは、メース王国が…恥ずかしいことに 男尊女卑の考えが主流だからです そんな女が王位につくなど、もってのほか。 私が男でないことを知っていたのは 信頼している侍従長、いま亡き両親、 そして医術師だけです」 『メース王国に行ったら…帰ってこれる?』 「王宮には聖なる鏡があります 魔を打ち砕き、異世界との繋がりを持った鏡です 必ず帰ってこれます」 唇が震えた どうする?どうする?どうする?どうする? 『行く…』 蚊の鳴くような小さい声だったが、 彼…彼女には聞こえたようだ 彼女は少し微笑んた 心のそこで好奇心が蠢いた メース王国のことを知りたい 彼女のことを知りたい 彼女は壁に立て掛けてあった板に手を伸ばした 否、それか件の鏡であった 「1つ言い忘れてました。 私の名前は向こうでは“アル”です。 アル第一王子と呼ばれています」 『本名は?』 彼女は少し俯いた 「アレアです さぁ、行きましょう!」 いままで見ることのなかった、彼女の明るい表情 その髪が風にふわりと揺れた 彼女は俺の腕を掴んだ 俺たちは眩い鏡の中に飛び込んた

みんなの答え

辛口の答え

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不思議~!

詩音です! 不思議で、面白くて、なんかよくわかんないけど最高!って感じでした!これからも小説待ってます!大好きです!(唐突)


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