私のアイツはかっこよすぎる。
ミーン・ミーン・ミーン。夏を思わせるセミの鳴き声。いつもだったら何とも思わないけど今はものすごくイラつく。 だって今日から夏休み。みんなは夏休みって聞いたら喜ぶかもしんないけど、私は全然違う。だって大好きなアイツに会えなくなる。 毎日学校で会って、毎日給食の時間に話して。こんなにたくさんかかわってるのにいきなり1カ月以上会えない。早く終わって夏休み!! 夏休みが始まって一週間。「瑞樹、宿題進んでるー?」玄関の方から大きな声が聞こえてみてみると茜が立ってた。 緑山茜は私の幼馴染で家が隣同士。親同士も仲がいいからしょっちゅうお互いの家を行ったり来たりしてる。お泊りも。 「プリントだけは終わらせたよ。だけど自由研究とか読書感想文とかはまだ。」「えー偉い!私はなんもやってない。」 「最後になって終わんない―っていっつも泣いてんじゃん。」「まぁね。だから今回はちゃんと計画したんだー。ってそのことが話し たかったわけじゃないの。修吾ね、今年の夏祭りくるって。」「えっ!」突然出てきたアイツの名前に心臓がドキンっとはねる。 修吾は家がちょっと離れてるから毎年町内会の夏祭りには来てない。なのになんで。「なんか弘人が誘ったらしいよ。ねぇせっかくだし ダブルデートしようよ!」「嘘ーー無理無理無理。だけどどうしようしたいかも。」「でしょでしょでしょ。私も弘人とは会いたいし。」 茜は弘人のコト好きなんだよね。「浴衣、来てこっかな。」「イイね。瑞樹とおそろいにしたいなー。」 今日は待ちに待った夏祭り。もう8月で自由研究とかメンドクサイ宿題を片付けるのは嫌だったけどアイツに、修吾に会えること想像したら頑張れちゃった。茜とおそろいにした紺色の浴衣を着て待ち合わせ場所に行く。「あれ、四宮?」修吾だ!「久しぶり。あれ茜と弘人は?」「あいつらまだ来てない。」そこから10分。二人とも来ない。どうして、二人なんてもう沈黙が重いよ。「もう行くか。」 「えっ!」「先行ってようぜ。盆踊り踊りたいし。」「分かった。」「っていうか今日浴衣なんだ。言ってくれれば甚兵衛にしたのに。」 嬉しすぎる。甚兵衛みたいな。だけど今のままでもかっこよすぎる。「ん。」差し出された手。何?手、つないでいいの?「離れないように。あそこ人多いから。」心臓破裂寸前。私の好きな人はヤッパリかっこよすぎる。ねぇあなたにもこんな人いる?