短編小説みんなの答え:1

逝かないで。どうか、連れてかないでください。

君の呼吸は浅く、荒い どんどん冷たくなっていく手 壊れ物を扱うかのように 秋のそよ風の如く そっと優しく 僕は君の手を握りしめた 冷たい手 小さな手 僕の目に涙が盛り上がり、零れ落ちる その涙を掬おうともせず 僕はただ、ただ、 君を見ていた 閉じられて震える瞼 長い睫毛が影を落とす すっかり痩せ細って、白く透き通るような皮膚 幾重にも点滴が繋がった腕 病室の空気は重く沈んでいる 風が命の灯火を掻き消すかのように 絶えず病室内に吹き荒れる 消えちゃ駄目だ 逝っちゃ駄目だ 君は目を開けた 僕と目が合う 僕はその鮮やかな焦げ茶の瞳を目に焼き付けた 呼吸を1つ それが、君の最後だったのだろうか 目は虚ろになり、急速に体が冷たくなる 駄目だ。逝かせない 帰ってきてよ 駄目だよ。おかしいよ。 誰よりも優しい君が こんな最期だなんて このまま、時よ。凍りつけ 僕も君もみんな凍っちゃって 僕はずっと君を見ていられて__ お願いです。神様。 彼女を連れてかないでください 不公平です。 頼むから、頼むから。 どうか… 僕が代わりになるので。 僕は死んでも、君が生きていればいいので。 君だけは生き返らせてください お願いです 君だけでも…! 還らせて! 君がいなければ… 僕はこの世界でどう生きればいいのですか! また風が吹く 風が君の髪を揺らした 君は眠っているかのように安らかな表情をしていた 今にでも起き上がって、笑顔を見せてくれそうだ ただ、君はもう目覚めない その事実だけがどうしても、どうしても 悔しくて 悲しくて 静かになった病室で 僕は声を殺して泣いた

みんなの答え

辛口の答え

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涙が出そう

泣いちゃいそうになりました。 読み始めた時になんだか声を当てたくなって、自分で声を当てたのですが、ものすごく読みやすかったです! 素敵なお話を、本当にありがとうございました(*´ω`*) 次作、楽しみに待っていますね♪


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