【短編小説】【恋愛】 華言葉 ~イチゴと赤い菊~
私、華(はな)は栽培委員の活動をしている。 私が水やりを担当している植物は、イチゴ。 うどんこ病や虫に早く対処しないとだめになってしまうから、 細かい所までしっかり手入れする。 こんな地味な仕事をしている地味な女子だけれど、私には好きな人がいる。 同じ栽培委員会の青葉先輩だ。本名は鈴宮青葉。学校でも評判の、かっこいい人。 以前水やりをしていた時、青葉先輩はイチゴの葉の裏に付いていた 虫に気付いて取ってくれた。 「虫がいたから、取っておいたよ。頑張ってね。」 「頑張ってね」…。誰にも言われなかったこの言葉。私は嬉しかった。 そこから、私の恋は始まった。 ある日、こんな噂を耳にした。 「青葉先輩って、告白してきた人フッて『俺には好きな子がいる』って 言ったらしいよ。」 私の体から、魂がひゅるひゅると抜けていった気がした。 (先輩…好きな人いたんだ…) 私の悲しみを他所に、イチゴは頬を赤らめる…。 イチゴが実った。ひとつひとつ丁寧に収穫し、栽培委員のみんなに配った。 「美味しい!」 「あまいね。」 みんな、美味しそうに食べてくれた。育ててきて良かった…。やりがい感じたなぁ。 でも、私は少しだけ酸っぱく感じた。 これが、失恋っていうやつなのかな…。 私は余ったイチゴをラッピング袋に詰めた。ダメだって思ってる。 だけど……告白したい、という気持ちが、私の中にはあった。 次の日。委員会の集まりが終わった後、先輩を呼んだ。 「青葉先輩、この後、ちょっといいですか…?」 先輩は快くOKしてくれた。優しいな、やっぱり。 「あの…これ、受け取ってください…」 私はイチゴを差し出す。中には、 青葉先輩 先輩の事が好きです。 メールで、お返事ください。 1年A組 華 と書いた手紙を入れてある。シンプルな手紙。 でも、そこには私の想いが詰まってる。 お願い……… 夜。私がベッドに横になったと同時に、スマホが震えた。 通知がきてる。…っ先輩からだ… 私はおそるおそる中身を見る。 送られてきたのは、写真だった。 赤い……菊?の写真だ。 私は首を傾げたが、ハッと気づき、急いで検索する。 『赤い菊 花言葉』 出てきた。 「え……?」 私の口から声が漏れる。検索結果は、 『あなたを愛しています』 今になって思う。『先輩』はあの時、私が渡したイチゴを花言葉である 『尊重と愛情』だと考えたのだろう。そして、彼も花言葉で返事をした。 私はその時、イチゴの花言葉を知らなかった。けれど、 あの頃にぴったりな意味だったのかな。 私は家事を終えた。日が暮れかけている。私はベランダに出る。 小さなプランターの中には、イチゴの苗が植わっている。 ふとベランダからマンションの入り口を見ると、スーツを身に纏った 青葉が丁度マンションに入る所だった。 青葉、帰ってきたら喜ぶだろうな。 薬指の結婚指輪がきらりと輝いた。 私は今日も、ひとつひとつ丁寧にイチゴを収穫していく。 end 読んでくださってありがとうございました! 恋愛小説は初めてなので、慣れてません(^^;; 良ければコメントにて感想ください!
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
すごい!(≧▽≦)
こんにちは! 個人的に大好きな小説ですね! 赤い菊の花言葉のあなたを愛していますっていうなんかそういう返事大好き(ㆁωㆁ) 2人の後も気になりますw ちょこちっぷさんの作品また見てみますね!