最低理論
「最低理論」それは僕が今から語る理論だ。 最低理論は最低な事をする奴は何故そんな事をするのかと言う理論だ。 何故するかは今は解明中だ。だからこの理論は完成していない。今、クラスでいじめられている子がいる。それを観察している。一つの観察日記として。今日は水をぶっかけられたようだ。「水をかけていた。嘲笑いながら。」と日記に記す。これを初めて約1ヶ月だ。先生に提出すれば「いじめは対処できるんじゃ無いの?」「もしかして楽しんでる?」とか思うかもだが一回1週間ぐらい経った頃に見せた。だが先生の感想は「そんな事ないだろう?坂野咲と上原達は仲良く遊んでるじゃないか。」だった勿論言い返した。「そんな事ないです。本当ですから!信じてください!今日もきっとしますよ!目で見たら信じますか?!」と何かを起こしそうな場所に連れて行ったが今日に限って何も起こらなかったのだ。きっとメンバーの誰かが上原に行ったのだろう。 そもそも坂野咲 美玲はお金持ちの子なのだ。とても優しく、大人しい子なので親に言えないんだろう。日記は1ヶ月続いてるがほぼ同じことの繰り返しだった。夏だから水をかけられるのはまだマシだろうが冬になれば寒くて風邪をひいてしまいそうだ。それまでにどうにかしたい。が、俺ひとりの力じゃどうせ前と同じ結果だろう。友達に手伝ってもらう?そんな事は出来ない。手伝ってくれる奴なんて俺の友達にはいないからだ。 日記は結局1年経った。そんな時いじめられていた坂野咲 美玲は 「自殺」した。 「最低理論は結局完成はしなかった。研究していた彼女は死んでしまったのだから。何回も「オトナ」に、「先生」に言えば良かったのだろうか。何回もいじめっ子達に言えば良かったのだろうか。どうすれば良かったのかだろうか。」 あれから12年たった今でも思う。俺の自分の日記には「結局、理論は完成しなかった。そして彼女も救えなかった。」と最後に書かれていた。悔し涙がノートに落ちる。 12年経って「オトナ」になった今なら理論は完成するだろう。 ペンでノートに書く。 「最低理論の答えなど無いだろう。いじめっ子もいじめられる子も人間で、人間はそう言う生物なのだろう。 ヒトは昔からそう言う生物だ。強い者が残り、弱い者はただ一生を終えるだけだ。歴史の本を読んだってそうだ。強い武士は勝ち残り、権力を持たない農民は飢えに苦しむ。上が権力を持ち、民を支配する。今の世ではそんな事は少ないが「学校」という階級制がある場所ではそれが起こり得ないのだろう。 それが29歳の俺が出す「最低理論」の答えだろう。」