私が嫌いなあの子と大好きな君
なーんか。嫌だな。この子。 私の前で、私があくびを噛み殺しているとも知らずにペチャクチャ一人で話している。 「…それでねっ、その男子何て言ったと思う?『君のことが好きだ』だって~!!」 「…へぇ」 「もぅ、モテすぎて困るなぁ~」 はっ。幸せ者だな。 それが、嘘告とも知らずにこんな喜んで。 ――私、杉崎澪(すぎさきみお)が話してる相手は、恐らくクラス一、学年一ウザいと有名の三城羅音(みしろらおん)だった。 何かと話を聞いてくれる私にべたついて来る。 今日も告白(嘘告だけど)された自慢をしに来たらしい。 私にとっては良い迷惑だわ。 たまに罰ゲームなどで、羅音に告白する男子がいる。 そして、本人は全く気づいてないと…。 「でもでも~、私が好きなのは黒羽君だから断ったんだっ」 「黒羽君」という単語に反応してしまった。 黒羽君というのは、黒羽大翔(くろばひろと)君のこと。 とびきっきりのイケメンという訳じゃないけど、笑顔で爽やかな男子だ。女子と話してるのはあまり見かけないけど、私は密かに思いを寄せていた。 …なのに。 「私が黒羽君に告ったら、女子達が泣いちゃうからさぁ~」 何が、「泣いちゃう」よっ。 話したこともないくせに! 私は、一度大翔君と話したことがある。 部活の帰り道、ボロボロで弱った子猫が私に寄ってきたのだ。家がマンションだから飼うことは出来ないが、背中の汚れをはらってあげたり、コンビニで買った肉まんをちぎってあげた。 その肉まんを無我夢中で食べてる子猫を思わずぽけ~っと見つめてると、後ろから「あれ?」と声がした。振り返ると、一瞬飛び上がりそうになった。 大翔君が部活のバックを持って立っていたのだ。 「うちの学年の子だよね?…わっ猫だ~!」 大翔君は、まるで無邪気な少年のようにその、子猫を見てはしゃいだ。「の、野良猫みたい…。うち、猫とか飼えなくて…」 緊張しながら言う。この子猫に感謝! と、大翔君が悩んでいるような仕草をしながら、言った。 「こいつ。まだ小さいのに可愛そうだよな…。よし!俺が飼うよ」 「ええっ!?」 思わず声が裏返った。 私が、大丈夫なの?と聞くと、ニカッと爽やかな笑顔で「大事にするから安心してよ!」と言ってくれたのだ。 その瞬間私は大翔君がもっと好きになった。あの時の大翔君のとびっきり、爽やかでかっこよくて、でも優しい笑顔は私だけが知っていたいと思った。 だから、廊下などですれ違うと私は毎回ドキドキするのだ。 「君って、あの時の…」と話しかけて来ないかと…。 でも、大翔君は私の顔なんか忘れたみたいに、いつも通り過ぎていく。 その度に私は胸がちくりと痛む。でも、諦めるつもりはない。思い出してもらうまで頑張るつもりだから! 「澪もそう思うよね?」 突然現実に引き戻された。 羅音の顔がどアップになるのは、かなり不快だった。 だから、怒ることもなく褒めることもなくぼそっと言った。 「泣くのはあんたかもね」 「…は。何よっ!」 私は呆れたような哀れむような目を羅音に向け、無言で席を立った。 無論、私が座ってた席は自分の席だったため、しばらく廊下を放浪することにした。 ただ、どこに行くかも定めずに歩いていると、階段の曲がり角から黒羽君が歩いてきた。 ドクンッ。 黒羽君がどんどん近くなる。 授業に使う道具を取りに行くよう言われたのか、大きな荷物を一人で抱えている。 心臓の音が鳴り止まない。(もちろん、鳴り止んだら怖いけど) そして、ようやく真横に黒羽君が来た。その、横顔は変わらず前を見ていた。 今…しかない。 私は、屋上から飛び降りる勇気で、すぅっと息を吸い__ 「手伝うよ!」 そう手を指し述べた。振り返った黒羽君は、あの時と同じように考える仕草をした。 どうやら、癖のようだ。 そして。 「あぁ!猫に肉まんあげてた子!?」 そこかいっ、と私はずっこけた。そして、笑いながらも「そうだよ」と笑顔で言った。 黒羽君に負けないくらいの笑顔でね。 END どうも!作者の利久です~(*’▽’) 「私の嫌いなあの子と、大好きな君」読んでいただきありがとうございます。羅音ちゃんみたいな、女の子身の回りに意外と居ますよね(笑)そして、黒羽君は私の理想な男の子です!とびきりのイケメンじゃなくて良いんですよ、皆さんのタイプの男の子はどんな感じですか? 感想やアドバイスがあれば、書いてくださると私はずっこけます!…じゃなくてw飛び上がります!頑張って書いてみたので、よろしくお願いします。
みんなの答え
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すごい!
澪ちゃん勇気あるなぁ…いいなあ… 羅音ちゃんみたいな子いますよね~私も苦手です。 ハッ( ゚Д゚)違う違う感想を書こうと思ってたのに! すごいですね!こう…なんとなくスカッとする感じというか… カッコいい!と思う所というか…とにかくすごい!すごかった! また小説書いてください!楽しみにしてます!