車椅子の君と秘密の箱庭。
「ここが私のお気に入りの場所なの」 と、彼女が扉を開けた瞬間、懐かしいような爽やかな風が僕らの頬をかすめていった。 ーあれは今から1週間前のこと… 「涼、ちょっとだけバイトしてみない?夏休みの間だけ。」 と母が言った。普段そんなこと言わないのに。 「バイト?なんで?」 「そのお嬢さんが車椅子なんだけどその友達の家って広くて移動が大変なんだって。あと人手を足りないらしいし」 特に部活動にも参加していない俺はそのバイトをやってみることにした。 「…こんちわ、涼です。今日からお願いします。」 「はじめまして、私は美奈と申します。こちらこそお願い致します。」 彼女は、生まれつき歩けないらしい。それから1週間、俺は彼女の足となった。そしてある日 「私のお気に入りの場所へ涼君も行きませんか?」 お気に入りの場所…秘密基地的なところかと想像し、承諾した。 「はい、そこを右に。そしてそこの本棚をゆっくりずらしてみて下さい。」 ズズズ… おぉ…開いた。 「ここは私だけが知ってる場所なの。小さい時から何かあったらここに逃げて来たんです」えへへと彼女は笑う。そういえばこのバイトはあと3日で終了だ。 「あの…このバイト、続けることってできますか?」 「え…続ける…?」 「はい、貴女のことをもっと知りたくなりました」 すると彼女は笑った。 「とても嬉しいです。私のことなんて、誰も見てくれなかったから」 「俺がずっと一緒にいるよ。」 「はい…!」小鳥の鳴き声が弾むように、響いていた。 ーend-
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
キャラクター可愛い!
とっても素敵なお話でした!こんなお話を読めて幸せです♪ キャラも可愛いし…ありがとうございます読ませていただいて(笑) 次作も楽しみにしています!