【短編小説】【恋愛】 熟れた杏は僕にだけ微笑まない
初めて教室に入ってきた時、僕は目を疑った。 金色でさらさらの髪。透き通った青い目。 彼女…杏珠はアメリカ人と日本人のハーフで、 僕…唯斗(ゆいと)の初恋の人だった。 杏珠(あんじゅ)が転校してきて1ヶ月程経った。 彼女は美少女だった。そして、クールだった。 彼女にはすぐに友達ができた。 陰キャな僕にもそんな能力が欲しいと、つくづく思う。 僕は勇気を振り絞って、杏珠に話しかける。 「こ、こんにちは…。」 杏珠はギロッと僕を睨んだ。僕は足がすくんだ。 「あ、はい。」 ぶっきらぼうな返事が返ってきた。 しばらく僕が彼女の周りをウロウロしていると、 杏珠はこう言った。 「さっきから、何でこの辺ウロウロしてるの。 キモいんですけど。」 僕のメンタルにクリティカルヒット。ダメージでかい… ああ。僕は、好きな人に嫌われているんだ。 学校から帰る時、突然雨が降った。僕は折り畳み傘を 常備しているので何の心配もなかった。 僕は、靴を履いて校舎を出ようとした。 その瞬間、彼女と目があった。そう、杏珠だ。 杏珠は傘もカッパも持っているような様子ではなかった。 僕は傘を差し出して、こう言った。 「これ、使って。返すのはいつでもいいから。 それじゃあ、さよなら。」 僕は無理矢理彼女に傘を押しつけた。 彼女は無表情(どちらかといえばむっすり)で少し頭を下げた だけだった。 僕は、後ろも振り返らずに雨に打たれながら走って下校した。 (…っ冷てっ!) 翌朝学校へ行くと、案の定昨日杏珠に貸した傘が机の上に 置いてあった。 僕は彼女をちらりと見る。彼女は僕から目を逸らした。 やはり、避けられるのは胸が痛い。 もういっそ、告白してフラれたほうが気が楽になるのでは……。 僕は放課後、杏珠を体育館裏に呼んだ。 やはり、告白の王道スポットといったら、ここだろう。 「…何?唯斗…君。」 彼女はもじもじとこちらを気にしている。 よし…フラれる覚悟はできている。僕は息を吸う。 「杏珠!僕は…僕は君の事が好きだっ!」 杏珠はむっすりとしてこう言った。 「君、そんな事伝える為にわざわざここに呼んだの…? 馬鹿みたい。」 ああ、やはりフラれる。僕は俯いた。 「私はどこで君が告白してきても、「はい」って言うのに。」 …え?今、なんて言った? 「私は…唯斗の事が好き。」 赤面した杏珠。僕の心は躍り上がった。 彼女は、やっと僕に向かって微笑んでくれた。 綺麗なオレンジ色に熟れた杏のように。 end 読んでくださってありがとうございました! *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* 感想お聞かせください~(^ ^)
みんなの答え
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うまい
こんにちは、あやです! とってもうまいです。 構成自体は、告白して、おっけーされるという王道系ですが、登場人物がハーフっていうのが珍しい! 杏っていう言葉をうまく使っていて、めっちゃ心に残りますね。 絶対ちょこちっぷさんの小説はいろんな方に対抗できます。 ファン第1号になっていいですか?w
素敵~!
ちょこちっぷさんっ!約束通り1番にコメントしてます。 偉そうに言うことではないと分かっていながらも、今回のお話も素晴らしかったです~(’-’*)♪ 終わり方が素敵です…! 12歳ですよね!? 本当にすごすぎる… 他の作品も読んで来ます! またお会いしましょう(^-^)/