君が恋しい
俺は、アンドロイドだ。 仕事は博物館を歩き回って、客に声をかける事。いつも首から名札を提げているため、アンドロイドだとすぐ分かるようになっている。 挨拶をすれば、返事もせずに『喋った』『人間みたい』と騒がれる。 少し表情を動かせば、『顔まで動くのか』と驚かれ、無遠慮にベタベタと顔を触ってくる者までいた。 ・・・みんな俺を、珍獣か何かだと思っているのだろうか。 今日も館内を歩いていたら、一人の少女に出くわした。 年の頃は15歳くらいだろうか。足首丈のワンピースを着て、ハンカチで汗をパタパタと拭っている。 『おはようございます』 狂いの無い、完璧な笑顔を作って声をかけた。 『あら、おはようございます!』 笑顔で挨拶を返され、俺は少し面食らう。・・・そこは、リアルだとか言って騒ぐ所じゃないのか? 『今日も暑いですねぇ』 のんびりと笑う少女。俺がアンドロイドだと気付いていないのだろうか。 『・・・私には、暑さが分からないので』 名札をつまんで、ちょいと上にあげる。これで流石に気が付くだろう。 『?ああ、温感センサー搭載されてなかったんですね!?ごめんなさい、無遠慮な事言っちゃった』 ぱっと慌てて口元を押さえる彼女。 当たり前のように、俺のカメラを見つめてニコニコと笑っている。 『・・・驚かないんですか』 『へ?』 『皆さん、私が話し掛けると物珍しそうな顔をするので・・・こんな風に話をしたのは、初めてで』 何だか、彼女の目を見ていられなくて、少し視線を逸らして呟く。 『うーん・・・私には何だか、あなたは寂しがってるように見えたから』 彼女はにへらと笑って、そう言った。 ・・・寂しがっている?俺が? 『あなたの雰囲気はモノというより、人そのものみたい思えたんです。私、人恋しくてここに来ている節があるから、話し掛けて貰えただけで嬉しくなっちゃって』 ぽりぽりと頬を掻いて、彼女は恥ずかしそうに眉を下げた。 『・・・明日も』 『明日もまた、ここに来ますか』 気が付いたら、喉のスピーカーから音声が滑り出ていた。 『?多分、来ると思いますけど・・・』 不思議そうに首をかしげる彼女の返答を聞くと、何だかほっとした気分になる。 ・・・どうしてだろうか。さっきから妙に、モーターの音が五月蝿い。 『はっ!私そろそろ帰らなきゃ!』 腕時計を確認して、途端にあわあわと慌て出す少女。 『すいませんっ!それじゃあまた明日!!』 ワンピースの裾を翻して走る、彼女の背を見送った。 また明日。少女は確かに、そう言ってくれた。 明日が楽しみ、だなんて言ったら、気持ち悪いだろうか。 俺が今までに学習した、膨大な量のデータに照らし合わせて考えると。 もしかして、この感情は・・・
みんなの答え
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すごい(´;ω;`)
アンドロイドが恋か… すごいいい作品だとおもいます!