短編小説みんなの答え:1

二億四千万の瞳

「織姫と彦星ってわがままよね」 ふと、伊藤(いとう)が言った。 「七夕の季節でもないのに、なぜ今なんですか?」 鈴本(すずもと)が不思議そうに聞いた。 俺も納得だ。 なぜ、いきなり伊藤がそう言ったのか分からない。 伊藤が答える。 「小説で七夕っていう言葉が出てきて」 鈴本が艶のある長い黒髪をヘアゴムで結んだ。 ポニーテールだ。 「わがままと言えばそうですね。仕事をほったらかしてイチャイチャしてたんですから。彼氏より、仕事を優先すべきだと思います」 双眼鏡をいじっていた服部(はっとり)も同意を示した。 「伊藤さんと鈴本さんに同感。常識が分かってないね。神様の御恩赦で一年に一度だけ会えることになったけど、雨が降ったらどうなるんだろうね?」 「雨が降っても会えるんじゃないのか?七月って梅雨の時期だから、二人はかなりの確実で会えないだろ」 伊藤が言った。 「旧暦でも七夕は七月七日だったの。今の暦でも七月七日なのは、旧暦の七夕をそのまま新暦に写したから。雨が降るのはいわば宿命よ」 なかなかの言い草だ。 「宿命だろうがなんだろうが、会えるんだろ?織姫も彦星も会えるのは嬉しいが、人に見られるのは恥ずかしいんじゃないか?」 三人分の視線が俺に集まった。 「三条(さんじょう)さん、独特の視点ですね」 「その話は非常に興味深いね」 「見てる人って誰なのよ?」 俺を見る六つの目。 「日本の人口が一億二年人ぐらいだろ?」 三人がこくりと頷く。 「人間の目は一つの顔に二つついてるんだから。二億四千万の瞳が逢引を見てるんだぞ。恥ずかしいだろ。二億四千万もの目が気になってしょうがないだろ」 三人がほーとかへーとか言いながら頷いている。 俺はそんな大層なこと、言ったか? なんか、六つの瞳に見つめられて恥ずかしい。 二億四千万の瞳に見つめられている織姫と彦星はどんな気持ちなんだろうか?

みんなの答え

辛口の答え

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ひよりさん、小説かくのうまいね!!

面白かったよ~ひよりさんは小説かくの向いてるんじゃないかな?? あと、二億四千万の瞳に見られるって考えたこともなかった!メチャメチャ恥ずかしいだろうね…!


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