不自由な世界でも
生まれつき、耳が悪かった。 人との会話もろくに出来ないような、 そんな自分の耳が大嫌いだった。 音楽は好きだった。 …音楽というか、イヤホンを耳につけて、 音量を上げると聴こえてくる、 ギターとピアノと、彼の声が好きだ。 いつかライブに行ってみたいな、なんて 叶いもしないことを夢見ていたこと。 …本当に叶うなんて。 偶然用事で外に出たとき、人混みの中に 落ちていた一枚の長方形の紙を見た。 そこには【○月△日,ライブチケット】、 そして彼の名前があった。 気付いたときにはそこに走っていた。 誰かの落とし物だとか、 交番に届けなくちゃだとか、 そんなことは全く考えていなくて。 彼に会いたい、歌を聴きたい。 ただ、それだけだって。 そこは想像を遥かに越えた広さだった。 でもそんな建物も、大勢の人で 埋め尽くされていて、私は圧倒された。 と、ライブ会場の照明が消えた。 周りの人がそわそわとし出す。 次の瞬間、パッと電気が点いて、 眩しさで一瞬目を両手で覆ってしまう。 恐る恐る手を退けると、目に彼が映る。 耳には彼の歌声が聴こえる。 殆ど聴こえない。聴こえないのに。 彼の声が心地よく、耳に響いていく。 彼がぽつりぽつりと歌詞を吐く度に、 私の心がぱちぱちと、 炭酸のように弾けて晴れていく。 生きにくかった私の、 心の色を変えてくれたのは、彼だ。 ────────────────── こんにちは、作者の霧霞です。 こういうのあればなぁ、という、完全に 想像だけを膨らませた作品です。 良ければ感想ください!(´∀` )
みんなの答え
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すご!
あーやです^^* 語彙力凄すぎない!? というか普通に凄いよ! 書き方がうまくて羨ましいなぁ…。 次の作品も楽しみにしてるね!
天才すごい。感動しました
私も主人公みたいな経験してみたいです。 私は生まれつき耳が聞こえないから一度でも聞いてみたいと思ってます。本当にあったらめっちゃいいですよね。 兄が大好きな曲も歌詞しか知らなくていつも歌詞で想像を膨らまします。表現もサイコー。なんか炭酸のように弾けて晴れていくっていうところがものすごく透き通っている言葉でいいなぁって思います。 きっと主人公さん一生の思い出でしょうね。 私はそんな素晴らしい作品を作った霧霞さんと話してみたいです。 面白い人なんだろうなって思うます。私も小説書いてるのですが全然比べ物になりません。ぜひ見て見て下さい あまり会話がなくても話がまとまっていてすごいです。 お気に入りです。霧霞さん、こんなすごいお話を書いて私たちに見せてくれてありがとうございます。あなたのファンになりました。 次作楽しみに待ってまーす