風とトモダチ!
私は矢口 風香(やぐち ふうか)。 今は小学5年生で、学校にも通っている、ごく普通の女の子。 みんなは私の事を「ふうちゃん」と呼んでくる。 もちろん私はどこにでもいる小学生…ではない。 ある日の学校の帰り道。 私がポケットから取り出したのは。 ヒュルルルル……。 「らんちゃん、お待たせ!」 「ヒュウ!」 小さな風のかたまりだった。 私のトモダチ、パートナーでもある風の子。 私はらんちゃんと名付けて、可愛がっていた。 みんなには秘密だけど、毎日らんちゃんを連れて学校に行っている。 「ポケットの中は苦しいかもしれないけど、外は危ないから我慢してね。」 「ヒュウ。」 そう。 学校の友達は私の事軽く見てる。 ちょっと気弱で、からかいやすいと思っている。 ふふ。 みんな甘いわ。 私が人間だなんて。 馬鹿にしないでちょうだい。 私の目は、怪しげに光った。 「みんな、悪いけど私を家に送ってもらえないかしら?」 その途端、小さめの渦巻が私に近づいてくる。 地面の枯れ葉を巻き上げながら、私の体をスッと持ち上げた。 「頼りになる~!ありがと!」 風に乗りながら、私は家についた。 そっと下ろしてもらい、ガチャリとドアを開けた。 「風香!」 「お母さん…?」 「今日も教科書を忘れて学校に行ったのね!」 「いいじゃないそんなことで怒んなくても。」 「口答えしないで!上がってらっしゃい、お説教よ!」 「嫌。」 「風香!」 お母さんは外へ行こうとする私の手をガシッと掴んだ。 けれど私には関係ない。 「…風が許さないわよ!」 そう。 強い味方がいれば、怒ったお母さんなんて怖くない。 お母さんは手を離した。 私の正体を教えてほしいって? 私は風を操れる。 風とトモダチ。 もう分かったでしょ? 私は風の精。 きっかけは、この水色のブローチ。 これを付けているものだけが、風の精になれる。 私は偶然、道に落ちているのを見つけた。 かわいいと思い、持って帰ってしまった。 お母さんが怖くないのも、このブローチのおかげなんだから! 「さぁ風たち!一緒に遊びましょ!」 すると、私の言葉に答えるかのように風が吹いた。 キャッチボールのボールのように、私をあっちに投げてはこっちに投げて。 ふうちゃんも嬉しそう。 「キャハハハッ!楽しーい!」 「ヒュッヒュッ!」 風たちも喜んでいるよう。 ほんと、私ってラッキー! たまたま拾ったブローチが特別なものだったなんて! もう家に帰りたくない! やがて私は、風に頼ってばかりで過ごすようになった。 ふうちゃんに宿題をやらせ、ある風には枕になってもらい、ある風には涼しくてひんやりした風を吹かせた。 「案外風って優しいんだね!助かるよ!」 なんでもっと早く思いつかなかったんだろう。 そのうち、私はお礼も言わず風に頼むようになってしまった。 あれやってこれやってと、ただただ命令するだけ。 「なんだか王様になったみたい!風たちは全員召使いね。」 そこで風たちとふうちゃんは、真夜中に話し合いをした。 『さすがにやりすぎだ!』 『風香ちゃんはトモダチだけど…。』 『トモダチはあれこれ命令するものじゃない!』 『仲良く遊んで、助け合うものよね!』 『明日、徹底的にしっぺ返ししてやりましょうよ!』 『良いでやんすね。』 こうして風たちは作戦会議をし、明日に備えた。 「みんな。今日もお願い。宿題と片付けとお使いを…あれ?」 いつもならビュウウと風が吹くはずなのに、返事がない。 その時。 ゴゴゴゴゴ…と、台風のような風が、私を襲った。 「ちょっと!私にむかって何するつもり!?やめなさい!今すぐ言うことを聞いて!」 しかし、風はちっともおさまらない。 「あんたたちは私の召使いよ!逆らっちゃダメ…うわっ!」 言えば言うほど風は強くなり、とうとう私は吹き飛ばされてしまった。 ふうちゃんが喋った。 「ビュウ!ビュビュー!」 「えっ何?トモダチは召使いじゃないって!?今すぐやめないとトモダチなんかじゃないって!?」 「ビュビュー!」 「謝れば許してくれるって!?」 「ビュウウウウウウウウ!!」 「ごめんなさい!私、トモダチの意味を間違ってたみたい!助け合っていくのがトモダチだよね!だから、本当にごめんなさい!二度としないわ!」 風はおさまり、穏やかになった。 でも部屋は散らかり、本や筆記用具、おもちゃが床に散らばっていた。 「片付けなきゃ。」 「ビュウ。」 「手伝ってくれるの?ありがとう!」 そよそよと風が吹いた。 こうでなくちゃ!と言うように。
みんなの答え
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おおっ!
どうも!初回答の美奏乙女です。工夫のある作品でいいと思います!