【短編小説】Human・eat(微ホラー)
細身のハンサムなウェイターが、慣れた手つきでメインディッシュをテーブルに並ばせる。 純白のテーブルクロスと、メインディッシュのステーキの鮮やかな赤が映えていた。渋めの赤ワインの色がより、肉の美しい鮮紅色を引き立てており、思わずステーキに目を奪われる。 天井の照明が反射して、肉の表面に光りができたそこに、フォークをそっと刺す。柔らかな肉の感触と共に、グレイビーソースの香ばしい香りが食欲をそそる。 左手のナイフですっと肉を切ると、その断面には今まで見たこともないくらいの美味しそうな赤色。断面に流れるグレイビーソース。フォークの突き刺したところからは、うま味の詰まっているであろう肉汁が溢れんばかりに滴る。 心を踊らせながら、おもむろにステーキを口に運んだ。口のなかで、じゅわっと肉汁が広がる。グレイビーソースが肉の深い美味しさと絶妙にマッチしており、噛み締める肉は柔らかく、美味しさを隙なく詰め込んだ肉は、あっという間に喉を通ってしまった。 そしてまた、二口、三口、と味わいを楽しむ。皿に広がるグレイビーソースと絡め合わせながら、最後の一切れまで堪能する。もちろん、端のクレソンやポテトも忘れずに。 最後に喉の潤しに、ワインを飲み干す。奥深い渋めな味わいに、舌鼓を打つ。グラスの口には、唇についた肉の脂が、白く薄くついていた。グラスから、テーブルクロスが透けて映る。 ふと、小さく手をあげて、近くに立つウェイターを呼ぶ。さっきの細身のウェイターよりも少し渋めの、ベテランの雰囲気を醸し出すそのウェイターは、俊敏に、だが上品にこちらへ向かってくる。 「いかが致しましたでしょうか」 私は、食べ尽くしてグレイビーソースの余りだけが残った、皿を一瞥すると、 「先程のお肉は、どこのもので?」と、ウェイターに問う。 ウェイターは、きっちりと口角まで意識されたような笑顔を浮かべた。 「九州産の宮城から取り寄せた肉でございます。 肉も引き締まっており、栄養も行き渡ったうま味のあるものを選ばせて頂きました」 「へえ、最近はジャンクフードの多食化で、脂肪の多くうま味の少ないお肉が多かったけれど、このお肉はとても美味しかったです」 「そういって頂けて、誠に光栄です」 ウェイターはそう言って、その場から離れていった。 ふぅと息を吐くと、夜景へ目をやる。都会のネオンと連なるビルが、暗闇の空に溶け込んでおり、きらめく星々が眼下に広がっていた。 明日はどの肉を食べに行こうか……。 私は次の肉を求めて、店を出た。次は東北産の青森のローストビーフにでもしようか……。
みんなの答え
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ゾワゾワ…
昔の短編小説を読みあさり中のあいぽんです! タイトル見てびっくりしました。 Human・eat→人間・食べる 怖すぎます! なのに、お肉の味の表現は素晴らしくて…それもそれで怖い! (怖い連続ですみません) つまり、主人公は人肉を求めて日本中レストランを探している…? 主人公は実は人間じゃないとか? ゾワゾワ…
えーと、、、?
えっと、この話の怖いところは、 この人が食べたお肉は、人間の肉ってことですか?? そうだったら、怖い!!