プロポーズ
彼と付き合い始めてもう4年。喧嘩することもあったけど、最後はいつも彼が謝ってくれた。彼、朔(さく)は私よりも心がずっと大人で、私のことを全て知っているかのような顔をしていて、ムッとなるときもあるけどそんなところがやっぱり好きで・・・。 でも今日は、今日こそは彼のあのすました顔を、私を小バカにしているような顔を、もっと別の顔にしたい。いや、するんだ。 今日は彼の誕生日。彼に、プロポーズする。 プロポーズって男の人からすることが多い。っていうかそういうイメージ。でも私からする。彼の悔しがる顔が見てみたい。「俺が言いたかったのに」って言わせたい。 今年に入って、いつ何を言われるかずっとハラハラしていた。いきなりプロポーズされたら、去年からの計画が台無しになる。私たちももう20代後半。彼も結婚のことは考えているはずだ。 「お誕生日おめでとーう!」 私の家で、2人っきりでお祝い。 「美咲(みさき)、ありがとう!」 彼が私を抱きしめる。 「あのね、今日はプレゼントがあるの」 私は彼にプレゼントとして、ネックレスを用意した。そしてその箱の中に、「結婚してください」と書いたカードを入れてあるのだ。 何を渡すか、非常に悩んだ。指輪を渡すでも良かったけど、ちょっと普通すぎる。決めるのに半年もかかった。それからデザイン。短めのにするか、長めのにするか。飾りをつけるか、つけるならどんなものか、それにも半年。渡し方も悩んだ。 考えて決めてを繰り返してやっと今日。彼がどんな表情をするか、楽しみで仕方ない。 「プレゼントはね、これ。ネックレス」 私は箱からネックレスを取り出し、彼につけてあげた。シンプルなデザインで彼によく似合う。 「しまう箱はこれだから・・・あ!」 彼がいきなり私の左手を掴んで私を抱きよせた。いきなりどうしたんだろうか。 「ちょっ、朔、いきなり・・・あれ?」 さっきまではなかったのに、左手の薬指に違和感がある。 「かわいい」 朔が言葉を発した。 左腕を押さえつけられたまま強く抱きしめられているせいで薬指の違和感の正体がわからない。 「ねえ、ちょっと・・・え!!」 今やっとわかった。違和感の正体が。 「ねえ、ちょっと!どういうこと!」 「気づいた?」 やっと離してくれた。左手の薬指に指輪がある。 彼は全部お見通しというような顔で私を見つめる。 「いいよ、続き。箱だっけ?」 「あ、そうそう・・・は、箱ね、箱箱・・・」 ダメだ、これはバレている。 「どうぞ」 もういいや。 「かわいい!」 また彼が私を抱きしめる。 「ちょっと!こっちの気持ちも少しは考えてよ!計画ものすごく大変だったんだよ!」 「結婚してください」 え・・・? 「って書いてあった」 く、苦しい・・・抱きしめる力が今まででいちばん強い・・・。 「お願いします」 そう言って彼は私の肩に顔を埋める。あれ?なんか熱い・・・? 「ちょっと!泣いてんの!?」 意外だ。彼は私に涙を見せたことがない。驚かそうと企画していたけどまさか泣くとは。 そう思ったが、物事はなかなか思い通りにはいかない。 「・・・だってこういうのが見たかったんでしよ?」 耳元で、低い声でそう言われてゾワっとした。抱きしめられてて見えないけど、多分いつもの、ちょっとだけ口角の上がった、あの顔に戻ってる。 ああ、ダメだ。彼には勝てない。 「なんで全部知ってるの?私誰にも話してないし、プレゼントは引き出しに鍵かけてしまってたし」 「ノート」 「え?」 まさか・・・ 「びっしり計画が書いてあるノート広げながら居眠りしてたよ!」 急に彼が笑いだした。 「は!?え!私のせい?」 やっちまった。 「相変わらずかわいいな~こいつ」 彼は私の頭をなで、いや、ぐしゃぐしゃにして、ぐっちゃぐちゃにしてトイレに行った。くそ、バカにしやがって。 「完敗・・・か」 私は悔しがりながら、ケーキを2つ用意した。 「乾杯」 彼が戻り、2人で理想の結婚生活を話しながらケーキを食べ、そのままゆっくり過ごした。 ケーキを食べているとき、彼が一筋の涙を流していたことを、私は知らないのであった。
みんなの答え
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え、かわいー!
キャラクターがすごく可愛かったです!!っていうのが一番言いたいことです。本当にキャラクターが魅力的で、想像して動かしてみるとすっごく萌えました。 セリフも可愛いしやることも可愛いし…ただでさえストーリーが良いのに、キャラの可愛さでさらに最高になってました(´∀`*) 素敵なお話ありがとうございました♪
神!
いやもう、ひたすらすごく良い!