お幸せに
そう、例えるのならばそれはまるで、海と空を見ているようだった。 水平線の果て、白いキャンパスに描かれたような空と、真っ青なキラキラ光る海がくっついてしまうのを見ているかのような。 当たり前だけれど、凄く幻想的で神秘的な美しい光景を届く事もないまま見つめるだけのそんな、不思議で切ない気分だった。 両片想いの人達を見ていると、とても、もどかしく感じる。 さっさと付き合ってしまえばいいのに。 なんて、部外者ながら思ってしまう。 だけれど、それにも幾つか例外があったりするのだ。 例えば、その一人が自分の好きな人だったり、その相手が自分の親友だったり。 こんな場合にはきっと「このままずっと気付かなかったらいいのに」なんて最低な考えが浮かんでくるものだろう。 私には、もうどうしようもない。 そう、分かっていても、私が告白したら…なんて妄想をしてみたりするものだ。 それが私だけに限った話でないことを願うとしよう。 「はぁ…」 いつもいるはずの右隣に誰もいないにも関わらず、大きく深い溜め息をついた。 きっと告白しに行ったのだろう。 どこかでそんな風に客観視している自分もいた。 部活帰り、体は練習で重く、何も考えずに歩いていると、私の耳がそっと聞き慣れた声を拾った。 「ずっと前から好きでした!付き合ってください!」 余りに何度も聞いた、なんなら数時間前まで話していた、自分の親友の声だった。 悪気はないものの壁に隠れると、1拍遅れて、「俺も!」と優しく笑う、大好きな彼の声が聞こえた。 頭の中は真っ白になって、それから何か会話をしていたがその内容はもう、聞き取れなかった。 重く疲れたはずの体は突然に走り出した。 風が私の頬を優しく撫でる。 それと共に冷たい涙が頬を伝った。 息遣いも荒くなってゆくも、そんな事より心臓の苦しみが勝っていた。 私の方が、ずっと前から好きだったのに。 止めようと思っても止まらぬ涙。 夕日が傾く寂しげな街と、夕焼けに真っ赤に染まった海。 私のせいでも、彼のせいでも、あの子のせいでも、決して誰のせいでもなくて、結局は偶然だとか運命だとかそういう神様の悪戯なんだ。 分かってる、そんなの最初から嫌って程分かってた。 だけど…だけど、私を選んで欲しかった。 なんで好きになっちゃったんだろう。 素敵すぎるんだもん、ずるいよ。 でもね、私はあの子のことも大好きなんだ。 やっぱり大好きだよ。 だけど、もう、諦めなくちゃ。 彼のためにも、あの子のためにも、私のためにも。 でしょ? ほら、言わなくちゃ。 「ずっとずっとお幸せに」 って。 END 皆さん、こんにちは! 元リン改めしゅがーです! どうだったでしょうか? 少しでも、楽しんでいただけたなら幸いです。 感想やアドバイスお待ちしています!
みんなの答え
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スゲーーーー
どうも目高です。 ズゴイです。めっちゃ好きこれ なんか主人公の気持ちが伝わってくるので恋愛がわからない私でもものすごくわかりやすかったです。 あと、何と言っても言葉が綺麗!!!! 全部の言葉の響きが良く凄い心に刺さる言葉が多いです。 特に素敵だなと思ったのは 「風が私の頬を優しく撫でる。それとともに冷たい涙が頬を伝った」 のところです。走ってるのが優しく撫でるのところまでわかって、 そこから冷たい涙がのとこから泣いているのがわかります 泣くとかひとつも書いてないのにその悲しみが伝わり よかったです。 私もいつかこんなんかけたらいいなぁと思ってしまいました 最近失恋ものにはまってるのですがまさかこんないい小説を見つけられるなんて…感動です もっともっと見てくれる人が増えたら本にもできるかもですね! さよなら