ある束の間の休息
「じゃあね~留衣!約束、忘れないでね!」「はいはい、またね~」 友達ともう何回目かも判らない別れを交わし帰路に着く。 偶然部活が無くて友達と遊ぶ約束をしているから家に居るのはほんの束の間である。 長い授業をろくに効かないエアコンしか冷房器具がない教室で終えて制服はビショビショだ。 ガチャ 鍵を開けた瞬間、ドアの前に熱気が立ち込めた。 「…あっつ……」 親の帰りは遅い。 一人っ子。 ペットも居ない。 そんな家に私が帰ってきた時にエアコンなど付いているはずも無く、鞄をベッドの上に放り投げ冷房のボタンを押す。 「レイボウ 24.5°デ ウンテンヲ カイシシマス」 冷たい機械音声が私の帰りを待っていたかのように食い気味に答える。 ゴォォォォ エアコンの風の前に立つ私に冷たい風が吹き付ける。 (あ…そう言えばゼリーあったな…) 脳裏に浮かぶのは昨日寝る直前の記憶。 『留衣ちゃんただいまぁ!ごめんねぇ遅くなっちゃって~お土産に留衣ちゃんの好きなゼリー買って来といたから明日食べてね!お休みなさい!』 綺麗にした化粧も、セットした髪も崩れた母さんが帰って来たのは丁度12時頃。 愛用している香水の匂いが部屋に充満してあまり寝付けなかったのを同時に思い出した。 少し胸を高鳴らせながら冷蔵庫を開ける。冷房の直撃範囲から外れて少し暑いが冷蔵庫の冷気に満たされた狭いキッチンは心地良かった。 (オレンジ…ブドウ…イチゴ…メロン…マンゴー…マスカット…ラ・フランス…) 見るからに高級そうなゼリーは母さんと私という家族構成よりは全然多かった。 一番最初に目に付いたイチゴのゼリーを無造作に取り、スプーンも隣の台から取る。 カチャカチャガチャガチャ 金属同士が擦れる音に思わず顔を顰める。 側から見たら不機嫌とも言える顔でスプーンを台から出し、冷房直撃の特等席に座った。 ぷちっ ゼリーの蓋が開き苺の香りが部屋全体に漂う。 顔に飛んだゼリーの汁を拭い、柔らかなゼリーにスプーンを入れ、掬う。 スプーンの上に乗った赤い物体はまるでルビーの様に輝いていた。 口に入れてゆっくり食す。 予想通りの高級な味で、思わず顔が綻ぶ。 スプーンに映る自分のだらしない顔に上がった口角を戻す。 (あり得ないんだけど…) 家では笑わないようにしてたのに食べ物如きで笑ってしまうなんて不覚だ。 1人で笑うと虚しくなるから。 『留衣ちゃんは1人じゃないよ。お父さんがいつも見てくれてるからね!』 母さんが昔から言っていた言葉が脳内に木霊する。 (そう言えば…) 仏壇のある部屋の扉を開けると埃が舞った。母さんも忙しそうだから最近誰も出入りしていなかったのだろう。 父さんの仏壇に手を合わせる。心を鎮めて… 父さん…私達は元気でやってるよ。母さんは最近帰りが遅いから体を壊さないから心配です。夢にでも出てやってよ。 最近合掌して無くてごめん。 これからは出来るだけやるようにするね。 心の中で唱え立ち上がる。日光に反射する埃はなんだか綺麗だ。 さぁ、持ち物の準備をしよう。 あと10分も無いんだから。 薄い上着を羽織り、バックを肩に掛け、お気に入りの靴を履きドアを開ける。 眩い陽に照らされて鍵を閉めて走り出した。 今日は!詩音です! 見てくれて有難うございます! コメントくれると飛んで喜びます!改善点、質問、良いところ(ある?)くれると飛んで喜びます~ 辛口・タメ口OKです! コメントが沢山ついてて嬉しいです!全部嬉しく、楽しく見てます! これからも私の作品を宜しくお願いします!
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凄すぎる!
イェーイ、あかりでーす! 詩音さんの短編小説すご~ わたし読み物大好きなのですごいはまったよ~ 9歳だけど敬語じゃなくてごめんなさい じゃ!またネットで、出会えるかわかんないけどまたね~
すごい
こんにちは。まるもっこです=(^.^)= 今回もホントに分かりやすいし読みやすかったです。 言葉の表現の仕方も素晴らしいし、最高です! あっそれから実は私12歳なんです! 自分の話ですみません。 誤解を生まないようにと思って。 素敵な話でした。こんなのかけるなんて凄いです! いつも楽しませて頂いてます(*^^*) 私も高級ゼリーが食べたい(´Д` ) これからも応援してます! それでは~( ´ ▽ ` )ノ