運命
…ありがとう、話しかけてくれて。 ありがとう、見てくれて。 ありがとう、愛してくれて。 ワタシは今日、あなたの晴れ姿が見られただけで、涙も飛んでいっちゃった。 初めて会ったのは、あなたが5歳の誕生日。 確か、お祖母様がワタシをあなたにプレゼントしたのよね。 私は子どもと触れ合うという事がわかなくて、本当はものすごく怖かった。 でも、そんなワタシをあなたは大切にしてくれた。 旅行も、お風呂も、寝る時だって一緒だった。 ワタシが1回、ベッドから落ちて、裏の隙間に挟まっちゃった事があった。 その時はあなた、起きた瞬間泣き叫んで、家族巻き込んでの大騒動となったのよ。 まだ小さかったし、一人っ子だったあなたは、家族からも愛されていたのね。 ワタシはあなたみたいに動けない。 動けたら、一緒に歩いてお出かけしたり、学校に行ったりできるのに。 何度もそう思った。 そしたら、神様が話しかけてきたの。 「君たちは、心の底からお互いを大事に思っている。それに免じ、君を自由にしてやろう」 って。 でも、約束があった。 自由になれるのは、3年だけ。そしてワタシたちの仲が壊れたら、ワタシは天使となって、二度とこの世には戻ってこられない。 翌日、起きたら知らない女の子が横にいるんだもの。あの日のように、あなたは大きな声を出したわね。 ワタシは本当に自由になった。 髪型や服が変わってなかったから、あなたは「おどかさないでよ」とすぐに笑ってくれた。 それからは、もっと日々が楽しくなった。 初めてのキスはそれから2年後。 ワタシが告白したのがきっかけで、キスまではできるようになったのよね。 最初は、ただ単に嬉しかった。 あなたを苦しめてるとも知らずに。 もうすぐ時効となる頃。 ワタシはあなたにはまだ神様との約束を伝えてなかったわ。 ワタシがベランダであなたを待っていると、あなたは数人の友達を連れて帰ってきた。 ワタシが手を振りながらお出迎えすると、何だかクスクス笑われたわ。 「これが、あんたの彼女?」 だって。 真ん中で顔を赤くして唇を噛むあなたを見て、やっと気付いたの。 あなたは、ワタシとの関係で虐められてた。 後で分かったけど、ワタシとデートしてる所を偶然見られて、問い詰められたらしい。 その時はあなた、ちゃんと恋人だと言ってくれたのよね。 あんなに大事になると知らずに… 虐められて、あなたはワタシと付き合う事に嫌気がさした。 あなたの視線ですぐわかった。 悲しかった。でも、本当に辛いのはこの後。 「あんたのせいだよ」 確かに、告白をしたのはワタシ。 キスを促したのもワタシ。 でも、この愛は2人で育んで来たものじゃないのか。 そう思ったけど、周りの女の子達が面白がってるのを見て、何も言えなくなった。 散々からかわれた後2人になると、あなたはやっぱりこう告げた。 「別れよう」 分かってた。 ワタシとあなたじゃ、結ばれないってこと。 あなたが言わなきゃ、ワタシが言うつもりだったから。 「…うん…」 ワタシが答えた時、一瞬の光と共にワタシに翼が生えた。 あなたをも包み込める、大きな真っ白い翼。 …あなたとの仲が壊れたから。 何も知らないあなたはとても驚いていた。 ワタシは足元から星屑になって行く中、簡潔に約束の事を教えたわ。 あなたは、怒った。 何で私に教えてくれなかったのって。 と同時に、泣いていた。 一時の感情で放った言葉を、とても後悔しているように見えた。 最期が泣いてる顔が見納めなんて、嫌だったワタシは、あなたの顔を両手で包み込んだの。 「ワタシ、あなたに愛されることが出来て、幸せだった」 笑顔にさせたかったのに、あなたはもっと泣いちゃって。 仕方ないから、翼でも包み込んであげた。 あなたは、泣き止んだ。 そして、ワタシは消えた。 バラバラになったワタシの1部を、あなたが握ってくれたのが伝わった。 今日はあなたの晴れ姿。 真っ白いドレスは、まるであの日のにワタシみたい。 お相手は、素敵な男性ね。 …佳奈、幸せになってね。 ―――「どうしたの?」 「え、いや、初恋の子がいた気がして」 「初恋の子って、確か…」 「うん、死んじゃった。でも、あの子は私とずっと一緒」 そう言って私は、星屑が入ったペンダントを取り出す。 「何だか、妬けちゃうな」 「バカ」 …メアリ、見てる?私は今日、とても幸せです。
みんなの答え
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これは女の子と女の子の恋愛かな? 片方は人形だけど、とても素敵だね!
無題
悲しいけど、とっても素敵なお話ですね。 メアリちゃんはこれからも佳奈ちゃんのことをずっと見守り続けていくんでしょうね。
すごい!
ワタシは、人形かな? 違ってたらごめんなさい。でも、すごい!
ああああっっうぐっっ
こんにちは! ましろです(*´∀`) え、ちょっと待ってしらさん。 私も福岡に住んでる……… こんな素敵な小説かくことができるしらさんが同じ県ってことを誇りに思います((は でもほんっっと素敵! メアリちゃんはお人形さんだったのかな……… めっちゃ感動して泣いた(本当) 佳菜にとって初恋はメアリちゃんだったんだ……… なんか友達の大事さを改めて考えられるような小説ですごい好き。 行もしっかり空けられてて、文章もまとまってて読みやすかったです!(´・∀・`) 素敵な小説ありがとうございました~