食べるボランティア【飯テロ注意】
連れてこられた場所は、オシャレで暖かい場所だった。 色々な可愛らしい小物たちの中、異様に目立つのは、机の上のお料理。それも、大食い番組で見る様な巨大なお料理が、こんもりと山の如しに置かれていた。 食欲をかきたたせる香りと。美味しそうな見た目できゅうっとお腹が鳴る。 その前でイスに座っているけど、今にでもかぶりつきたい。 お腹が空いた私は。周りでニコニコしていた店員さんにたずねる。 「あの、これ食べて良いんですか?大食いか何かですか?」 すると店員さんは「ええ」と頷いた後、 「でも、大食いではありません」 ちら、とお料理を見る。 嫌でも、こんなに沢山あるのに・・ 「これは、ボランティアです」 「ぼらんてぃあ?」 何を言ってるんですか。 「じゃ、これはタダなんですか?」 お料理の山を見上げる。 どう見ても、結構額がありそうな量である。 店員さんは「あーはい・・」と訳ありそうに答える。 「これは店で余っちゃったものでして」 更に困った顔をする。確かにそれはもったいないけど・・ 「あの、1年でいくら食べ物が捨てられてるか知ってます?」 「え?えーと・・600万tとか?」 唐突な質問にあせって答えると、意外にも店員さんは頷いた。 600万。600万って・・無茶苦茶もったいない! そして店員さんは悲しそうにつぶやく。 「年間約632万tの食べ物が捨てられているんです。私たちが生きるためのものなのに」 その声は、哀愁と怒りが混じっていた。 「で、うちは予約をキャンセルされた団体の方がいらっしゃいまして。そこで、貴方にお願いしたいんです。飯島(いいじま)千花さん」 飯島千花、というのは私の名前である。何故知られているかというと・・ 「大食いアイドルの飯島千花さんですよね。よろしくお願いします!」 店員さんの声は、必死だった。そんなに頼まれちゃ仕方ない。 私は大食いアイドル。数々の巨大料理と対決してきた猛者なのである。 「では、いただきます!」 心を込めて言うと、目の前の料理を手に取る。オムライスだ。 フワフワな白身と黄身が混ざった卵におこげの付いたチキンライス。具は大きめで、少し贅沢な感じ。 スプーンですくい取って口に入れる。 うん、美味しい! 卵のバターの香りが走り抜けて、そこにピーマンの苦味が来るんだけど、トゥルトゥルの白身がそれをまろやかに。 そして、白身が全体を包み込むとき。 具が白身と絡まって、これはまるでー 卵のベットで寝てるみたーい!!! という妄想をしながらため息を付く。 そして、店員さんが微笑みながらたずねてきた。 「どうですか?美味しいですか?」 私は笑顔で答えた。 「美味しいです!」 食べ物は、笑顔を作ってくれるー! ー終わり 初投稿です! お楽しみ頂けたでしょうか?私も書いててお楽しみしてました!私、飯テロ動画とか大好きなんですよ! 感想よろしくおねがいしまーす!!
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
美味しそう…!
感想失礼します。 お食事の描写がとてもお上手ですね!今夕飯前なので、これはまさに飯テロでした。廃棄される食物のことも知ることができて2倍お得ですね…。 近いうちにオムライスを食べに行こうと思います。勿論、残さず(笑) 失礼しました!
おもしろーい!
食品ロスはダメだよね…。気をつけますっ! 食べ物大好きな私にとって食欲をそそられるものでした!