孤独な女王様
ある所に小さな小さな館に住んでいるひとりぼっちの王女様がいました。 日に日に朽ちていく体を恐れ、彼女は神様にお願い事をしました。 『どうか、私のこの容姿を保ったまま……不老不死にしてください』 彼女の死への怯えようを見た神様はその願いを叶えました。 その日からでしょうか。迷いの森には不老不死の女王様がいると噂され始めたのは。 ※ ひとりぼっちの女王様。 ですが彼女は寂しさなど感じていなかった。 独りでいる事こそ自分の願いであり、それが一番素敵な事だと信じていたからです。 独りぼっちには似合わない大きなレンガ造りの屋敷に住み、そこに閉じこもっていました。 そんな女王様の元に1人の王子様…いいや、子供が迷い込みます。 まだ冷たい風が肌をくすぐる4月の事でした。 『……貴方、何故私の屋敷の敷地内に居るのですか?』 「え、あぁ…うーん…?」 ふわふわとした栗色の天然パーマのかかった髪を揺らし、ペリドット色の瞳を細めて少年は笑う。 『親は?いや、そんな事はどうでも良いわ。早くここから出て行って頂戴』 「お、母さん…いない。お父さんは……女の人と、どっか行っちゃった」 ハハッと乾いた笑みを漏らす少年の目はどこか遠くを見つめていて、酷く寂しそうだった。 その表情を見て、女王様の心がグラッと少しだけですが揺れ動きます。 この少年なら、私の近くに居ても良い。そんな考えが心の奥深くから湧き上がってきます。 気づいた時には少年の腕を掴み、屋敷内に連れ入っていました。 『私の名前は…そうね、ジルとでも呼びなさい。貴方の名前は?』 「ぼくは…リルダ…よろしく、ジル姉さん」 これは、女王様と小さな王子様の出会ったばかりの話。 ※ 「い、やぁ…懐かしい、ねぇ?」 『そうね、懐かしいわ。そんな事は良いの。いつになったら貴方はこの薬を飲んでくれるのかしら?』 薄い緑色の小瓶に入った薬を手に出したジルは1人の老人の口元に手を当てる。 この薬はジルが作った不死身になれる薬だ。薬を飲めば私とずっと一緒に居られると何回説得しようが、1人の老人__リルダは口を開こうとしない。 「もう、私に残った時間は少ない。人間はね…?寿命が、あるからこそ…楽し…」 『良いわ。大丈夫。あまり喋らないで』 手に持っていた薬を小瓶に戻して、ジルは口を開く。 ゴホッと咳き込んだリルダの手には鮮やかな赤色が広がっていた。 「ジル姉さん…いい、やジルよ……私の事を拾って、くれてありがとう…な」 『そんなの、気まぐれよ……ね、ぇ…?ほんとに、薬のまない、の?』 こんな感情はいつぶりでしょうか。 心の底から悲しみが溢れてくる。 目の縁から溢れ出す熱い熱い液体が滴り落ちていく。 「いつか、絶対…ジルに、会いに……くる…よ」 そう言ったリルダの瞼が静かに落ちていく。 ジルは声にならない叫び声を上げながらベットの隅で泣き喚いた。嗚呼、神様。私の願いを取り消してください。あの人の所に行かせてください。いくらそう願えどジルの願いが叶う事はなかった。 これから何百、何千…いや何億年とジルはリルダを独りぼっちの屋敷の中で想うのでしょう。 彼が残して行った形の無い寂しさを抱えながら待ち続けるのだろう。 ______いつか絶対迎えにきてくれると信じて。
みんなの答え
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切ない
いつか迎えに来てくれると良いですね・・・不老不死か・・・
( ;∀;)ジーン
悲しすぎる! 感動!! 同い年!? なぜだ!! 私にもその語彙力をくれ!!