2月14日の放課後。
春の穏やかな光が、放課後の教室に差し掛かる。「さようなら」後、教室に残った私と谷場。他にも放課後の係当番の人も残ってるけど、その光は、まるで私達のためにだけあるように感じる。私が今話している彼は、谷場佑馬(たにばゆうま)。私は滝尾莉花(たきおりか)。二人で、しょうもないことを話している。 「担任、話バリ長いよな」 「それな。」 「ヤバい!来た」 「え、ヤバ!」 「ちょ、行こ!」 「うん!」 谷場と笑いながら、階段を急いで駆け下りる。笑顔がすてきな谷場のこと、私は好きだ。私の片思いだけど。 私と谷場は、小学校6年のときから、2年連続でクラスが同じだ。彼はサッカーをしていて、常に輝いている。 私と谷場は、今同じ学級委員をしている。だから、放課後に残って仕事をして、帰りも途中まで一緒。谷場が委員長で、私が副委員長だけど、実際は私の方が仕事してる。 今日2月14日は、そう、バレンタイン。今から、私は谷場に告白する。すっごく緊張してきた…! 「滝尾、そういえば、なんかあるって言ってなかったっけ?」 「うん。校舎裏行こ。」 「あ、うん。」 誰もいない校舎裏。静かで涼しいところだけど、おひさまは優しく私を応援してくれる。 「えっと…私は、」 「うん。」 「谷場のことを思ってる。」 「え?」 「私は、谷場が好き。」 谷場、口を開けてフリーズしてる。 両手でチョコが入ったハートの箱を差し出しながら、 「私と…付き合ってください!」 箱は受け取ってくれた。気持ちは、どうだろう。 「返事は急がないから。バイバイ!」 恥ずかしすぎて、ダッシュで帰る。恥ずかしい! 翌日。谷場から、放課後校舎裏来てと言われた。返事、だよね。 「あの、昨日のことだけど…」 「うん。」 「俺が滝尾に好きな人聞いても、絶対『さあ?』だったから、ちょっとびっくりした。」 「うん。」 「で、返事的には…オッケー。」 「え?」 「だから、オッケー。付き合おう。」 「いいの?こんな私だけど。」 「こんなって。滝尾は立派だよ。学級委員の仕事も真面目にやってくれるし、面白いし、たまに優しいし。」 「たまにって!滝尾じゃなくて、名前で呼んで!りかって」 「りか!俺のこともゆうまって呼んで!」 「ゆうま!」 こうして、私の片思いは、両思いになった。これから、楽しい中学校生活が待っている気がする!