短編小説みんなの答え:1

星と、声と、太陽。

「きれい。」 隣で、つぶやく声が聞こえた。 久しぶりに聞いた、彼の声は、少しかすれてて、でも、よく通る声だった。 (これが、今の陽くんの、声…) 小さい頃は、もっとか細くて、自信がなくて。でも、私はあの声が大好きだった。 「くれちゃん」って呼ばれるたびに、心が太陽みたいに輝いて。 私が、この街からいなくなって、その間に成長した陽くん。 (この声になるまでを、となりで見ていたかったな…) また、空を見上げる。昼間も同じ空を見ていたはずなのに、夜の空は、深い青色。 手を伸ばしてその空をかき混ぜても、本当の姿は見えない。そんな気がした。 (今の、陽くんみたい。) また、星が流れた。 「き、れ、い」 私も、陽くんの真似をして言ってみる。 「うん、きれい」 また隣からそんな声が聞こえた。 (私、この声が、陽くんが、好きだ…) 心の底からそう思った。 それは、まるで、会えなかった数年間を埋めるように、私の心に広がった。 あの頃は、私が手を握らないと、ずっとその場にしゃがみ込んでいそうなくらい弱かったのに、今は、どんどん前に行ってー。 (あの頃、私は、どうやって手を握ってた…?) もう一度、あの手を握りたい。 暗闇に隠れる、彼の、陽くんの、顔が、かすかに見えた。 手を伸ばしてみる。 (あと少し。あとー) 「!」 不意に手を掴まれた。 「え…」 何も考えられなくて、陽くんを、見る。 「くれちゃん、手、ちっちゃいね。」 そう言って、笑った彼の笑顔は、もう、あの頃のものじゃない。 (でも…) 「陽くん」 「私、」 「ずっと」 「一緒にいたい。」 「…」 「うん」 そう言って、もう一度笑った彼の顔は、あの頃とは違っていたけど、 (でも、笑った時のあの太陽みたいな気持ちは、変わらないね。)

みんなの答え

辛口の答え

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文章がきれい

空をかき混ぜるって表現と読点の位置がすごく好きです! 成長していろいろなものが変わってしまったけれど気持ちは変わらないってテーマを、まず声から始めているところもいいなあと思いました。 どことなく時間の流れがゆっくりとしている、ほんのりかわいいきらきらとしたお話でした、とてもよかったです。


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