短編小説みんなの答え:1

生後7日の私へ

「初めまして。キミは今日生まれたんだ。」 目を開けて、最初に見たのはとても綺麗な男の人。 純白の衣を身に纏い、ニコニコとした表情を貼り付けたその人は、まるで天使みたいだった。 「キミの命は七日間。せいぜい足掻いてみせてよ。」 それだけ言って消えた天使様。 気がつくと、私は1人で公園にいた。 1日目はつらかった。 お腹が空いて仕方がなくて、男の人の持っていた食べ物を奪って食べてしまった。 でもその彼は笑って許してくれて、家のない私に住むところをくれた。 2日目は発見だらけだった。 彼は私を色んなところに連れ出してくれて、私の質問に嫌な顔せず答えてくれた。 ヘトヘトになりながらも、彼は私に知識をくれた。 3日目は寂しかった。 彼は“こうこう”に行っていて、ずっと家でお留守番だった。 でも彼が帰ってきた時は胸が高鳴った。生まれてはじめて喜びを知った。 4日目は落ち着かなかった。 彼のことを考えると心臓が早鐘を打って落ち着かない。 私がそれについて話すと、彼は困ったように笑った。甘い甘い初恋だった。 5日目は不安でいっぱいだった。 あと2日しか生きられない、彼と一緒に居られない。 胸に何かがつっかえたみたいに苦しくて、あの天使を心の底から呪った。初めての絶望と怒りだった。 6日目、私は逃げた。 彼と一緒にいたら辛くなる一方だったから。私はどこまでも自分勝手だった。 でも、彼は私を捕まえてくれた。心配ないと抱きしめてくれた。 生まれて初めての涙。私は産声を上げた。 7日目、もう不安はなかった。 隣には彼がいて、私は彼が大好きなのだから、もう何も心配は要らない。 ずっとずっと大好きだよ。それだけ言って、私は眠りに落ちた。 8日目、全て思い出した。 彼は8日前に交通事故で死んでいた。 私を庇って飛び出した彼の姿が、やけに鮮明に記憶に残っていた。 もう全てどうでも良かった。 『ごめん、せめて君だけでも生きて欲しいから。』 そんな声に引き留められた気がして、幻だと分かっていても泣けてきた。 記憶をなくした生後7日の私は、きっと彼と一緒に空へと消えていったのだろう。 ふたりの幸せをそっと願いながら、私はどうしよもなく重くて愛おしい記憶を背負って生きてくんだ。 どうも、3回目の宝塚記念です。 立ち上がります。 ここまで読んでくれてありがとうございます。感想など頂けたら嬉しいです。

みんなの答え

辛口の答え

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物語的に好きだけど…

めっちゃ好きだけど分からんっ笑 お腹の中の話?でもなさそう…普通に外の世界だよね でもめっちゃ素敵なお話でした! ありがとう!


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