短編小説みんなの答え:1

忘れていたころの記憶

僕は満開の桜の中にいた。 頭上には真っ青な空。 桜の花の一枚一枚が、鮮やかな色を持っている。 その桜の満開っぷりに見入っていると、どこからか視線を感じた。 視線の先を見ると、そこには同い年ぐらいの小柄な女の子が立っていた。 髪はそこまで長くはなく、きれいな色の服を着ていた。 僕はあの子をどこかで見たことがある気がした。 何か話している。ここからでは聞こえない。もう少し近づいてみよう。 すると女の子は僕から離れていく。どうしたんだろうと僕は思った。 女の子はこの満開に咲く桜の木の道の奥へ奥へと進んでいく。 僕はつられるようにして、女の子の後を追っていく。 しばらくして、女の子は立ちどまった。 僕はこの景色を見た途端、驚いた。 表現できないような、素晴らしい光景だった。 同時に、この景色は絶対に造れないな、とも思った 霧に包まれたような、それでもこの景色は夕日のように輝いている。 「これを見て。」初めて女の子が話した。 女の子に言われた通り、見てみる。 何か懐かしいような、忘れてはいけないような、 見覚えのある、とても居心地の良いものが、そこにあった。 見たことがある。僕はこれを見たことがある。 「これは…?」とぼくは聞く。 すると女の子は微笑む。バラのような笑顔だった。 「これはあなたの記憶。ずっと忘れていたあなたの記憶。」 そして、それを僕に渡す。 僕は見つめる。これが僕の記憶なんだ、ずっと忘れていた僕の記憶。 「私は桜。あなたに春を届けに来たの。」 桜が風に乗り、僕の頬をかすめる。 夏の緑の葉、秋の真っ赤に紅葉したもみじ、じっと春を待つ、冬の木。 そうか僕は…。 僕はすべてを思い出す。 あの女の子…桜は、僕の初恋の人。 こんなところにまで、僕を探しに来てくれたんだ。 宇宙一の感謝の気持ちを伝えたい。 忘れていたころの記憶、楽しかったころの日々。 僕は微笑んでいる彼女の手を掴む。 もう離さないよという気持ちを込めて。 帰ろう、僕達の世界に。

みんなの答え

辛口の答え

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いいお話!!

いいね~お話が詰まってるね~(←短文すぎだろ∑(゚Д゚))


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