初めて愛すことが出来た貴方へ。
私の右目に光が宿ったあの日、彼は星となって消えていった。 12月23日___ 私は今までの人生で「楽しい」と思えたことが1度でもあっただろうか? 生まれてからすぐ親に捨てられ、孤児院で過ごしていき、友達は出来ずに、14歳の時にようやく見つかった里親には1ヶ月も経たずに呆れられ、ひとり暮らしを始めた15歳。義理の父に毎月お金だけ送られて、あとは会うことすらなかった。 そして何より、私は病気で右目が見えなかった。 高校1年生。 知らない間に始まっていた先生の話。賑わっているみんなの声。転校生が来るらしい。でも私は興味も無い。どうでもいい。 そう思っていたのもつかの間、教室に入ってきた転校生に私は目を奪われた。 ああ、これを一目惚れと言うんだ。 私は初めて目が奪われるという体験をした。 それから私と彼が仲良くなるのに時間はかからなかった。席が隣になったというのもあるが、彼はとても人当たりがいい。嘘を吐いていないと言うことがすぐにわかる。 こんな私とも話してくれる。なんて素敵な人なんだろう。 彼といるだけで心の底から笑えた。毎日が彩っていった。 私は初めて会ったあの日から彼のことが好きだった。 高校3年生。 私の親(義理)は結構な金持ちなので、目を治せるくらいの財産はあった。 私の右目が見えないのはどうでもいいらしいが、めんどくさいことになったら嫌だから、卒業をする前に目の手術を受けることになった。 彼にそのことを話した時、何も言わずにただ手を握りしめてくれていた。 12月23日。手術当日。 「こんなにあっさり目が見えるようになるなんて、笑」 そういえば、彼に初めて会ったのもこの日だったな。 せめて最後に彼と会いたかった。 その方が元気が出る。 この手術が終われば両目で彼のことを見れる。 『手術が無事に終わったら、告白をしよう。今までの想いを全て彼に伝えよう。』 私は手術室に入っていった___ 「お疲れ様です!無事に成功しましたよ!」 そんな言葉が聞こえてきた。右目が見えるようになったんだ。 両目が使えるってこんな気分なんだな。 ほんのちょっとだけ、笑顔になれた。 私は早く彼に会いたかった。この想いを伝えたかった。 「手紙を預かっているわよ。」 看護師さんにそんなことを言われた。 誰からだろう? 見てみると、一目で彼からだとわかった。 この字体は彼しかいない。 はやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと読んでいった。 気づいたら、私の目からは大量の涙が溢れていた。 彼には生まれた頃からの持病があった。余命宣告もされていたみたいで、もう長くは無い。 いてもたってもいられずに、私は病院から出て走り出していた。 前に学校が終わったあと一緒に話したことがあるから覚えている。 ここだ、彼の家は。 バクバクと心臓がうるさい。 深呼吸をし、勇気をだしてインターホンを鳴らした。 私の右目に光が宿ったこの日、彼は星となって消えていった。
みんなの答え
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言葉選びのセンスが良すぎ!
まず、タイトルに惹かれました。そしてその期待を裏切らない内容。素晴らしいです。「光が宿る」とか、言葉選びがすごいです。
両目で見ることはできなかったのか…
面白かったです!そして切ない…。 彼が星になってしまった世界で、彼女がこれからどんな人生をおくるのか、気になってしまいました。片目と両目の違いですら、視える世界は180度変わりますよね。続編が欲しくなってしまった…! あと、片目の見えない主人公に「目を奪われた」という表現をしたのは天才だと思います!
すごい!
ということは、主人公ちゃんは両目で彼のことを見れなかったってこと? 片目だけの世界と両目での世界ってだいぶ違うと思うから、両目での世界で彼に会えてたら良かったなぁ… てか告白できずに二度と会えなくなるとか辛すぎる! でも、主役ちゃんが両目の世界で彼のために残りの人生を精一杯生きてくれたらいいなーと思います! アイデアが天才的!
YOU,TENSAI!?
ヤッホー,侍ジャパンだよ!!ニクネ覚えてケロー! ココロ温まるステキなお話だな!あなた,天才!?キュンキュンドキドキするゼ…!!スンバラしい