聖なる夜のお別れ
「大人になったら、結婚しようね」 私、絵理乃は、彼氏の、春陽くんと、そんな約束をした。 ずっと、ずっと、仲良しでいられたらいいな、と思いながら… 今日はクリスマス・イブ。 クリスマス・イブの夜は、デートをするカップルが多い。絵理乃と春陽も、そのうちの一組だった。 待ち合わせは、最寄りの駅。17時頃からデートをすることになっている……はずだが。 18時になっても春陽は現れない。 LINEで何回も話しかけたが、既読はつかない。 (あした、遅れないでねって、約束したのに…) そう思った直後、電話がきた。春陽に急用でもできたのだろうか。 そう思いながら電話にでると、知らない女性の声がした。 そして、春陽の家に向かうよう言われた。 春陽は、交通事故で亡くなった。 亡くなったのは、17時前の、デートの約束の直前だった。 春陽のお母さんは、 「デートに、遅れそうだから、焦ってた、みたい。私が、もう少し、早く、出れるように、言えば、よかった、のに…ごめん、ね、絵理乃ちゃん。せっかくの、デート、だった、のに…」 そう言いながら春陽のお母さんは泣き崩れた。 自分の息子が、死んでしまったのに。 私のせいで、死んでしまったのに。 なんで、この人はこんなに優しいんだろう。 (春陽くん…) 大人になったら、結婚、したかったのにな… 春陽くんの死の後のクリスマス、私は自分の部屋で過ごした。 実は、クリスマス・イブの時、春陽の家に行った時、クリスマスプレゼントになるはずだったペンダントを、春陽のお母さんに渡してもらった。 ペンダントは、雪の結晶の飾りがついている。 とても綺麗で、いつもの絵理乃なら大喜びしたはずなのに、喜ぶ気にはなれず、重い気持ちでそれを眺めていた。 あの日、約束の時間をずらしていれば。 遅れないでね、なんて言わなければ。 そもそも、私が春陽くんと付き合わなければ。 こんなことにはならなかったのかもしれない。 クリスマスプレゼントに、とても綺麗なペンダントをもらって、大切な春陽くんを失った。 こんな綺麗なものなんてほしくないから、春陽くんを返して欲しい。 そんな願いも、外に降る雪に吸い込まれていくようだった。 雪は、まだ降り止まない。 ~後書き~ こんちゃっちゃ!ゆきみ大福だよー! 感想くれると嬉しいです!
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
すごい感動!
ささっと読めて内容も薄くない、すごく読みやすい話でした。感動したし、言葉選びのセンスが抜群ですね。吸い込まれていくよう、とか、遠回し、だけどしっかり主人公の悲しみが伝わってきました。またゆきみ大福さんの小説が読みたいと思いました、
悲しい、凄く悲しいよぅ...涙
Hi(^^♪My name's Uno(*´・ч・`*) ☆*: .。. o本題o .。.:*☆ 悲しい、凄く悲しいよぅ...涙。 今、現実(リアル)の私は半泣き状態(笑)。 タイトルに心惹かれて読んでみたけど、クオリティがレベチ!! ヤバい、今までで読んだ短編小説の中で一番好きかも...! Have a nice day(*^^)v Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪
感動した
こんにちは。 とても感動しました。 クリスマスの夜 というところも素敵です。 文章のクオリティ高いですね。