Musicdiary
廊下の奥から、言葉じゃ表現できないような 美しい音色が聞こえた。どうやらピアノのある音楽室から聞こえるようだ。僕は思わず音楽室の扉を勢いよく開けてしまった。扉が出す騒音に反応したように音色が止まってしまう。驚いた顔で女子生徒がこちらを見ていた。 「す、すいません!!」僕は慌てて扉を閉め、走り去ろうとした。その瞬間、「待って!」 「あ、あの…えっと……」気まずい沈黙が数秒間続いた後、女子生徒はこう言った。 「ピアノ、弾いてきませんか?」 これが僕、湊音(みなと)と奏音(かのん)の 出逢いだった。 僕らはピアノを通してすぐに仲良くなった。 加えて僕は、段々と奏音に惹かれていった。 奏音の出す美しく、繊細で優しい音色が大好きだった。他にも性格や外見、全てに惹かれた。 告白はしなかった。いや、できるわけなかったと表現した方がいいだろうか。自分の想いを伝えると、それまでの関係が崩れて消失してしまいそうで怖かった。そんな浅はかな考えにバチが当たったのだろうか。ある日音楽室に行くと奏音の姿は無く、代わりに奏音の友人がいた。 その友人は暗い顔をして僕に言った。 「奏音は、引っ越したよ。遠い町にね。」 比喩表現でもなく、目の前が真っ暗になった。 現実に感情が追いつかなかった。 必死で奏音を探そうとしたけど、誰にも引っ越し先を言ってなかったそうで失敗に終わった。 僕の初恋はこうして不完全燃焼で幕を閉じた。 それから僕は何回か恋をした。だがどれも遊びのような、中途半端で終わってしまう。 もう奏音のような子とは出逢えないのか。 ー数年後。 僕は音大を卒業し、 駆け出しのピアニストとして働いていた。 まだ奏音の存在を引きずったまま。 そんなある日。 …最初は幻聴とさえ思った。奏音が奏でるあの美しい音色が聞こえてきた。何十回と聴いてきたんだ。間違いない。体が勝手に走っている。息を切らせながら彼女の名前を呼ぶ。 「奏音!!」 ピアノを弾いていた人物がゆっく振り返る。 数秒間の時間だっただろう。 けれどその時間がとても長く感じた。 「湊音くん!?」 …ああ。何年経っても奏音は変わらないな。 泣き顔さえとても綺麗に見える。 「あのさ、奏音。」 頬を涙で濡らした奏音がこちらを見る。 「僕、君をずっと…」 音楽は、人と人を繋げる。それがどれだけの時間経っていても、どれだけ関係が風化していても。僕らは音楽で出逢い、音楽で繋がった。 この先どれだけ世界が変わっても、音楽だけは 変わらないでほしい。そう思った。
みんなの答え
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素敵すぎる
音楽やってる身としてこの小説の最後の部分はほんとに共感出来ます! この先どれだけ世界が変わっても、音楽だけは変わらないでほしい マジでそれな! 私もこれからも音楽と共に歩いていきます!
音楽って、奥深い物なんだね...!
Hi(^^♪My name's Uno(*´・ч・`*) ☆*: .。. o本題o .。.:*☆ 音楽って、奥深い物なんだね...! 音楽で出逢い、音楽で繋がる。 趣深くて、上手く言葉にできないけど、素敵でいい★ Have a nice day(*^^)v Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪