魔女の見た夢
「さよなら、師匠様。私ね、師匠様と一緒にいられて楽しかった」 「今までありがとうございました、師匠。貴女がいたから、僕たちは生きることができた」 そう言って弟子の双子が息を引き取ったのは、いつだったか。 もうそれすらも思い出せない。 黒髪の少女は木製の揺り椅子に腰掛けながら物憂げに窓の外を眺める。 ここは森の中にある小さな小屋。 川のせせらぎと鳥のさえずりしか聞こえない静かな場所。 今年で少女は2630になる。 この森に来てからは1000年ほど経っただろうか。 魔女と疎まれ人の世を追い出されてから、少女は各地を転々とし、 その先でも忌み嫌われ、やがてここで暮らすようになった。 時折街に降りては食料や生活用品を僅かな買う以外はほとんど外に出ることはない。 たまに動物たちが少女と戯れに来ることはあるが、基本的に孤独だった。 その寂しさを埋めてくれたのが弟子である双子だ。 もとよりただの気まぐれだった。 廃墟の神殿に魔力の変化を感じて訪ねてみたら少女が眠っていたから、 強い魔力を宿していると分かったから、拾った。 森の獣道に傷だらけの少年が気を失って倒れていたから、 死体となって腐臭を放たれたくはなかったから、拾った。 それだけだった。 なのに死ぬ間際の双子の酷く安らかな顔を思い出す度に胸が締め付けられるような感覚を覚える。 双子の寿命はただの人間のそれよりも遥かに長かったが、それでも少女にとっては瞬きよりも短く感じられた。 ここに迎えたときは二人ともまだ幼さが残る子供だったというのに、今は――棺に入っている二人は立派な紳士淑女だ。 人の世は無常で無情だと少女は常々感じ、そして同時に自分が人から外れた存在であることを、 決してもう時の流れに追いつくことはできないことを思い知らされる。 少女は窓から目を離してテーブルに置いてある茶器を手に取り、口をつける。 香草茶特有の香りが鼻腔を満たした。 ここ数年はいつも同じ味ばかり飲んでいる気がする。 別に飽きているわけではないし、むしろこの穏やかな虚ろの時間をやり過ごす上ではなくてはならないものなのだが、 やはり少しだけ味に変化があってもいいのではないかと思ってしまう。
みんなの答え
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いいお話だね...!
Hi(^^♪My name's Uno(*´・ч・`*) ☆*: .。. o本題o .。.:*☆ いいお話だね...! Have a nice day(*^^)v Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪
好きなタイプの話!!
私もともと恋愛の短編小説があまり好きじゃなくて、、、、 恋愛小説っていう多くの心情が交差する小説は 短編小説なんかじゃ絶対に深みが出ない!! と思っております。 なので私が好む短編小説は 主人公が一人で自分の心情を淡々と語るタイプの小説なんですよ!!! はっきり言うと私の好みストライクです!! 終わり方も綺麗で余韻を感じる終わり方で素晴らしいと思います!! ファンになりました!!応援してます!!
素敵な話ですね
まず、主人公である少女の、人間らしさが欠如しているところと 双子にあってから、徐々に人間らしい心が生まれている様子が とてもシンプルかつわかりやすく伝わってきて 素敵だなと思いました。
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こんにちは!((おはようか、こんばんはかも? 透夏です!((名前覚えてくれると嬉しい! #本題# いつも読んでいる短編小説とぜんぜん違うお話で、よかったです! このお話の土台の発想がすごい! じゃあね!