【短編小説】「さきいかないで」
真っ白なベッド。小さいテレビ。 少し汚いカーテン。味の薄い食事。 そう、俺は今病気で入院中。隣にいる咲も同じ感じだ。 何度か彼女と深く語ったことがある。 彼女は先天的な病気らしい。俺は後天的な病気だから病院の外をよく知っているけど彼女はあまり知らない。花が好きだけど、あまりリアルの花をみたことがないとか。海の綺麗さを見てみたいとか。俺にとって「当たり前」だったものを、彼女は見たがっていた。 「咲はさ、死ぬの怖い?」 「…当たり前じゃん、」 なんだか意外だった。彼女はいつも前を向いていて、怖いものなんてないようにみえるから。 「めっちゃ怖いよ。寝たら明日起きれなくなってんじゃないかとか、ご飯食べないと死ぬんじゃないかとか。子供みたいだけどね」 こんなに寂しそうに怯えてる咲は初めてみた。悲しませたくない。なんとか脳をフル回転させて彼女のためになることを考えた。 「そうだ、ねぇ咲。相手にプレゼントしたいもの、2000円以内で買ってきてもらって交換しようよ」 咲はおぉ、といつものハリのある声を出した。彼女の顔は笑みに変わっていた。 「良いね!お母さんに協力してもらうわ!」 いつも通りの楽しそうな声。俺はその声を聞けるだけで幸せだったことを後から知ることになる。 そんな会話をして2週間が経った。 2000円。女子って何貰ったら喜ぶんだろ。ただそれだけを考えていた。病院にずっといるから毛布?ベッドの隅っこにぬいぐるみが沢山あるからぬいぐるみ?あーもう分かんない。 「私もうプレゼント決まったよ。看護師さんに渡してあるからさ、私が死んだらプレゼント貰ってよ」 「…え、」 「よろしくね!!」 突然死という単語を出す。なんて不謹慎なんだ。でも彼女の発する「私が死んだら」は何か普通じゃないような予感がした。 その悪い予感は的中した。 その1ヶ月後。彼女は深い眠りについたのだ。 「咲、ねぇさき、」 誰もいないベッドに言葉を投げかける。 「これ、咲ちゃんがあげるって言ってたよ。受け取ってあげて」 あ、いつの日か話したプレゼントか。俺、渡せなかったな、。 包の中には押し花で作られたしおりやらキーホルダーやら。シールには「花言葉調べてね」と書かれていた。 勿忘草は「私を忘れないで」 ナズナは「あなたに全て任せました」 ネリネは「また会う日を楽しみに」 ずるいよ。ねぇ、我儘言うけどさ。 「さきいかないで」 ------------------------------------ どーも、翠です 生きるのは辛いけど、生きる理由になってくれる人がいたら、少しは軽くなれるんじゃないかなって思います。最後無理矢理気味ですが、楽しんでもらえたら嬉しいです。
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さすが、翠さん…
こんにちは 物黑(モノクロ)といいます 翠さんの切ないことばあそび?みたいなのが本当に好きです 次の作品も楽しみにしています 素敵な小説、ありがとうございました
すごいですね。
登場人物の「咲」、逝かないでと、先いかないでの2つをかけ合わせてるのがすごいなと思いました がんばってください(⌒▽⌒)
悲しいよぅ...!
Hi(^^♪My name's Marin(*´・ч・`*) ☆*: .。. o本題o .。.:*☆ 悲しいよぅ...! Have a nice day(*^^)v Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪