金木犀のような君
「流れ星見たいなぁ」 「今度の夏休み見に行こっか」 すると彼女は目を輝かせて元気のいい返事をした。 結局それは口約束になってしまった。 俺たちは恋人同士ではない。 仲のいい友人といったところだろう。 夏の終わりと秋の始まりを告げる金木犀が咲いた9月中旬。 やさしく鼻をつく甘い香りがふわっと身を包む。 一華は金木犀を愛おしそうに見上げている。 「金木犀好きなの?」 「うん!ずっと好き」 「そうなんだ」 「でもね、柚斗くん。金木犀ってすぐ散っちゃうから悲しいんだ。この香りが好きなのになぁ」 「俺はこの匂い苦手だな」 つい、口に出してしまった。やばいと思って彼女に視線を戻した。 すると口を尖らせ、こちらを見ていた。 「ひどーい!一華の心は傷つきました」 「ごめんって。来週の誕プレいいやつあげるから許して?」 「しょうがないなぁ。期待してるよ?」 そういって彼女は笑顔になった。 俺はこの笑顔が好きだ。 * 一華の誕生日当日。 柚斗はプレゼントを持って彼女の家へ向かう。彼女は窓から首を長くして待っていた。 「柚斗くん!待ってたよー!」 俺が手を振るとぶんぶん手を振り返してくれた。 「誕生日おめでとう」 「開けてみてもいい?」 期待に胸を膨らませた彼女は、包みを開けた。 「金木犀の香水?」 「そう。好きって言ってたから」 「ありがとう。嬉しい!」 柚斗は覚悟を決めた。閉じ込めていたこの気持ちを伝えようと。 「あのさ、一華。好きだよ」 「え?」 一華は香水を落としかけた。彼女のつけていた金木犀の香りがする。 「ごめん。友達だと思ってた」 彼女は頬を赤らめていた。 「ちょっと衝撃的すぎて。考える時間ちょうだい」 「うん。待ってる。じゃ、また」 その日の夕方。彼女は死んだ。 俺の家に向かう途中、事故にあったらしい。 連絡してくれれば会いに行ったのに。 メールでも良かったのに。 電話でも良かったのに。 明日でも良かったのに。 俺が告白しなければ良かった。 俺の初恋はすぐ散ってしまう金木犀のように消えた。 残ったのは後悔と彼女の金木犀の香りだけだった。
みんなの答え
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すごい
こんにちは!いるかです! 意図したものかどうかは置いといて、金木犀の花言葉には初恋、真実という意味もあるそうです! 切なくて素敵な小説でした! 以上、いるかからでした!
比喩表現が上手だね!
Hi(^^♪My name's Marin(*´・ч・`*) ☆*: .。. o本題o .。.:*☆ 初恋の切なくて儚い気持ちを金木犀の花に例えているのがいいね! Have a nice day(*^^)v Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪
えっと。
アドバイス良いですか? 私小説家としていま活動しているんですが、 さいごのメールでも~ってところから~明日でも良かったのに ってところを変えたほうが良いんじゃないかな~って思います。 でも金木犀のように消えたってところは切なさが表現されていいと思います。