ネバーランドは君のもの。
放課後、忘れ物をとりに行こうと思って1年3組の教室に入った。 夕日が教室の窓を照らしていて、珍しい光景だと眺めていた時、 窓に誰かの影が映った。 「へっ?」 僕以外に誰がいるんだろうと周りを見渡してみても誰もいない。 その影は遊んでいるようにたくさんの窓を歩き回る。 見間違いだと思って目を擦り、目から指を離した時、 目の前には、ぼくと同じくらいの小さな女の子がいた。 「わっ!?きっ、君誰ですか!!」 制服はうちの中学校のものだ。クラスメイトにこんな子はいなかったはず。 その子は後ろで手を組んで無邪気に笑っている。 セミロングの髪に小柄な体。普通の女の子にしか見えない。 「入ってきたんだから君が先に自己紹介しなよー。それにあいにく私は名前を言えないんだ。」 「そうなんですか…。僕は海(かい)です。よろしく…?」 「そうか、海。私にはタメ口でいいよ。それより少し話そう。暇なんだ。」 その子は机に腰をかけて、僕はその机の椅子に座った。 「君、ここのクラス…なの?僕は見たことないで…よ。」 「そうだろうね。私は普段みんなの前に姿を見せないだけで、ずっとこの教室にいるよ。ずっと。」 「じゃ…じゃあ、君お化けみたいなものなの…?」 僕がそういうと女の子は手をブラーんとオバケのポーズをして、 「ひどいなー、お化けだなんて。実は私ね、大人になれないんだ。」 おとぎ話みたいなことを話されて、僕は困惑した。 「大人になれないって…どうして?」 「わからないよ。もしかしたら私がずっと学校で一人ぼっちだったからかもしれない。」 「誰か君のことを知ってる人はいないの!?」 僕がそう質問するとその子はガラッと雰囲気を変えて、寂しいような目をした。 「いたよ、前までは。みんな、みんな忘れちゃうんだ。 海みたいな人を何百人、何千人も見てきたけど、みんな私のことは忘れてた。 ネバーランドは、いつか記憶から消えるものなんだ。 いいなぁ、海は大人になれて。」 その子があまりに悲しい顔をするから、僕はその子の手をとって、 「絶対に忘れない。僕は、絶対に忘れたりしないよ。」 と言った。その子は一瞬驚きを見せたけどすぐ元の顔に戻って、 「そのセリフも、何回も聞いたよ。」 と言う。僕は何か方法はないかとポケットの中を探す。 ポケットの中に入ってたのは布切れだけだった。 僕はその布を2枚にちぎって、女の子と僕の指にくくりつける。 「ほら、これで一緒!」 僕がそう言うと女の子はニコッと笑って、 「信じたからね、海。」 と言ってふわっと消えていった。 中学の頃から6年経って、僕は18歳になった。 今日は、中学校に忘れ物を取りに行く。 懐かしい、一年三組の放課後の教室。 僕の目の前に、小さな女の子が現れた。 「迎えにきたよ。待たせてごめんね。」 「海…!久しぶり。背が大きくなったね。」 僕が久しぶりに見るその子はやけに背が小さく見えた。 僕はその子を抱きしめる。 するとその子は我慢をやめたようにポロポロと涙を流して、 「会いたかった…!会いたかったよ海!!ありがとう…迎えに来てくれて、ありがとう!」 数年後、ネバーランドの魔法は解けて、ぼくとその子は大人になり、 指につけていた布切れは綺麗な指輪に変わった。 いつでも隣にいるこの子の笑顔は、昔のまんまだ。
みんなの答え
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凄っっ!!
こんにちは!わわわです。 めっちゃおもしろかったです!! 最後の3行が特に好き! また書いてください!
感動です!
その女の子とはもう会えないと思っていたんですが、 会えてよかったですね!こういう小説を書けるなんて凄いです! 最後は結婚するなんてめちゃくちゃハッピーエンドです!
凄すぎる!!
Hi(^^♪My name's Karin(*´・ч・`*) ☆*: .。. o本題o .。.:*☆ 凄すぎる!! Have a nice day(*^^)v Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪