雪の女神と春の訪れ
私は元々「神」だった。気づいた時から冬、雪を司る女神としてそこにいた。 そして隣には春、花を司る女神フローラがいて、私達の一つ上には月を司る女神セレネがいた。 なぜ私たちが近くにいたのか分からない。私たちの唯一の共通点は「美しい」ということだけ。 フローラが咲かせる花も美しい。 セレネが司る月も美しい。 私が降らせる雪も美しかった。 今までそれなりに、仲良く人間界を治めてきた。 この三神だけではなく色々な神たちと。そんな関係に亀裂が入り始めたのは、春の訪れ、私とフローラが交代するときだった。 その年は、私の力が前の年より弱く、冬が早く終わった年だった。 私が一年の役目を終え、眠りにつこうとしたとき、人間界からこんな声が聞こえてきた。 村人1「今年は春が早く来たなぁ」 村人2「やっと作物が育つぜ!!」 村人3「雪雲も消えるから月明かりが直で届いて夜も明るくなるわぁ」 村人4「私、冬とか雪とか嫌いなのよね。寒いし。」 衝撃だった。最高神ゼウスから賜った仕事をしているだけなのに。 神が人間ごときの言葉に動揺するなど情けない思ったが、それ以上に私がしてきた事がすべて否定された気がした。 私は嫌われている? 私は必要とされてない? 私はいらない存在? フローラは人に希望を与えているのに? セレネは人に喜ばれているのに? なんで私だけ? なんで?なんで?なんで? 黒い気持ちは少しでも芽生えると急速に大きくなっていく。私はそれを抑えることが出来なかった。 なぜゼウス様は私にこんな仕事をさせるの? ゼウス様は私に嫌われ者になれというの? 酷い。セレネはともかく、同位神のフローラは皆から必要とされているのに、、、、、 私は皆に認めてほしかった。冬がある意味を。私が降らせる雪の美しさを。 そして私は禁忌を犯してしまった。最高神ゼウスに反旗を翻したのだ。 冬の精霊、雪の妖精、雪男、氷で出来た武器。私が使える最大限のものを利用してゼウスを攻撃した。 だけど案の定、私ごときが最高神にかなうはずもなくあっけなく制圧された。 その後、「最高神に反旗を翻し、神界を混乱させた罪」で人間界に堕とされることとなった。 人間、弱く愚かな生き物。 ゼウスの気まぐれで作られた哀れな生き物。 自分の感情、欲望に従うかわいそうな生き物。 だが、私も自分の感情を抑えられずゼウスを攻撃した時点で人間と同じレベルなのだ。 自分が選んだ未来なのだから責任を取ろうではないか。 私は一人の人間として、生きていく、、、、、、、、!! 男1 「おーい大丈夫か?」 男2 「おまいさん倒れてたぞ?」 男1 「どこから来たんだ?」 男2 「てか名前は?」 私 「美雪、美雪と言います、、」 美雪 「どこから来たかは、、、わかりません、、」 知らない場所。そもそも私は何をしてたんだっけ。でも一つだけ分かる。 私、私は、美雪だ。 ~人間界に堕とされる少し前~ ゼウス「雪の女神。お前に情けをかけよう。人間に堕ちたときの名考えておけ」 私「美雪、、美雪にします。私の雪は美しいから。」 終