おはよう
朝起きる、アラームを止めてまた布団に潜った。こんな朝をもう何百回と繰り返している。 学校行かなくなって…もう3年か。 行かなくなった理由は世の小学生が不登校になる理由のなかいちばん多いであろうことだ。まぁ、ひとことで言ってしまえばいじめである。恐らく自分は対人恐怖症というやつなのである。4年生の始めごろから学校に行かなくなった。今や家族でさえ自分のことは腫れ物扱いだ。 寝返りを打ち二度目の眠りに入ろうとした。あぁ、今日も布団から出ることはなく一日を終えるだろう… 「おはよう」 別に大して大きい声ではなかったのだ。けれど頭の中奥深くへ直接響くような、目の覚める声がした。 窓を見る。そこには言葉で説明が出来ないような見たこともない『生き物』がいた。なんだか今すぐに触れたくなるような見事なまでにふわふわとした毛並みをしている。 「おはよう」 『それ』が声を発していたのだと認識するのにかなりの間があった。 「んわああああぁぁっ!?」 かなり遅れて驚きが来た。久しぶりに発した自分の声は少しかすれていた。 『それ』は驚く自分になんとも可愛らしい笑顔を向けた。 恐怖と驚きで動くことができない。 しかし同時に何か非日常的な『何か』が始まる予感で期待に満ちあふれていた。 どうやら自分の人生はまだまだこれからなようだ。