短編小説みんなの答え:0

夏休み

夏休みに入って少しした平日の昼、僕はとある歴史博物館に足を運んだ。 そこは僕が最近興味が湧いている幕末から明治時代にかけての展示物があるとのことだ。 外も暑いし、宿題ってことにも出来るし、ラッキー!なんて軽い気持ちだった様な気もするが、そこはおいといて。 博物館についてみると、こじんまりとしていて人はまばら。まぁこんなもんか…と思いつつ入館してみた。 すると入り口から数歩進んだところに、まさかの僕が歴史の教科書や資料集でみていたある人が描かれた絵があるではないか。 まさかな…いや、でも本物…⁉️ 怠惰な夏休み生活を送っていた俺は久しぶりに衝撃を受けた。 しばらくぼーっとその絵を見ていると、その絵の奥からささやく声がした気がした。 まさかな、気のせいだろうと、思ったその時、 「おーい、そこの君!」 「……。」 (…え、俺の事?!) なんとその絵が話しかけてきている…? どうやら少し疲れているようだ。 「だから、そこの君~!青い服の君だよ!」 (本当に話しかけられている!) 「ずっとここにいるからさ、暇なんだよ。君、僕と変わってくれない⁉️」 「え、えーとー…無理っす。宿題とかまだ終わってないんで。」 「宿題?そんなものこの時代にあるのか?大変だなぁ。でも、ここにいるといろんな人が僕を見て驚いたり感動してくれておもしろいぞ。」 「有名人ですもんね。さすが…。」 「でも動きたくても動けん!現代の日本はどうなんだい」 「まあー、普通に楽しいような…」 「おぉそうかぁ、いいなあ、いい時代なんだなあ。」 「……。」 「僕の時代は波乱の時代だったよ。生きていくのに必死だった。でも、その瞬間をとにかく大切に過ごしたよ。君もどうか、今いる場所で輝いてみてくれよ。」 「は、はい…。がんばります…。」 家に帰ってきて、さっきの出来事を反芻してみた。 あれは何だったんだろう。 今、この時代は平和か…? それは分からない。 ニュースでは毎日、他国の戦いの様子や現状が写しだされている。 でも、俺はこうしてコーラを飲みながらそれを見て、また、スマホをいじっている。平和…。 あの人は言っていた。 「今いる場所で輝いてみてくれ。」 とりあえず、この怠惰だと思っていた夏休みをもう少し変えてみようか。 なぜならあの人はその時代にその中できっと輝いていたから…。

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