震え、沈む
「どのようなご用件で?」 時間をかけて来た病院に入ると事務的な言葉が飛んできた。奥にいる職員が気まずそうにこちらを見ている。 「面会です。」 そう返すと職員はどうぞ、と言って仕事に戻った。 今日は平日だからか人が少ない。天井が高いからか全体的に暗い印象を持つ院内だが外からの光が入り、重苦しい雰囲気はさほど無かった。 ボタンを押し、エベレーターを待つ。 もうすぐ彼女と会える、と思うと少しドキドキしてくる。 いつも彼女とはメールでやり取りしているが彼女が入院してから会いに行くのは初めてだ。 彼女とのツーショトをスマホのホーム画面にして祈っていた甲斐もあったのか彼女はどんどん回復していった。 ポーン、 エベレーターが来た。 僕以外に乗る人はおらず目的の階まですぐについた。 降りて目の前には彼女がいた。待ちきれなかったのだろう、すぐに彼女は僕と目が合うと笑みを浮かべ喜ぶ。 そんな彼女と見ていると僕まで嬉しくなる。今日は会いに来て正解だと思った。 彼女は入院している時の出来事をいろいろ話してくれた。 例えば、入院している時に出て来た好きな食べ物の話とか、完全に回復したら僕と行きたい場所について詳しく話してくれた。きっと調べたのだろう。嬉しい。 小一時間ほど話していただろうか、彼女の看護師と思われる女性が歩いて来た。 彼女の名前を呼び、時間だと告げる。 彼女は寂しそうに僕を見つめて 「次は外で会えるように頑張るよ。」 と言った。 パリーン、 少し遠くでガラス製のものが割れたような音がした。 びっくりして辺りを見回すと違和感をどこかから感じる。 おかしいはずなのにわからない。 廊下を見渡すと看護師や患者がいる。至って普通の光景だ。 この光景は知っている。初めて来たはずだが見慣れているように感じた。 どこからくる不安なのかわからない焦りで僕の手は震えていた。 落ち着こうと思い彼女とのメールを見る。 開くと彼女からのメールの受信日がかなり前になっていることに気づいた。 しかも僕の知らないメールがある。 彼女からのメールは全て見ているはずだが見落としでもあったのだろうか、と思いメールを開く。 そこには彼女の回復は絶望的なこと、もう会えそうにもないことが書いてあった。 現実との乖離に思わず僕は動揺した。 さっき彼女と面会をした、、、面会をした、、、面会をしたから大丈夫なはず。 きっと彼女と次会うときは冬になるだろう、今日は稀に見ない猛暑日で院内も暑い。 ふと彼女との会話を思い出す。 「そういえば私が入院してからちょうど半年だね。 覚えてる?私が入院しないといけないって知ったときとっても泣いていたよね。」 えっと確か彼女が入院したのは夏に入ってからだった。その夏には彼女にとって大事な試合があって僕も応援していたから出れなくなるとわかって泣いたな。 「「夏に入院し、半年を過ごした。」」 今日は夏じゃないとおかしいのに彼女はまるで今日が冬になっているような説明をしたことに気づいた。 彼女も可愛いな。季節を間違え、、、る、、、はずなんてない。 もう一度メールに目をやると続きがあった。 「私がいなくなっても、前を向いて生きて。」 僕は手に持っているスマホを壁に向かって投げそうになった。落ち着け。 わからないことがわかった気がする。けどそれは良かったのだろうか。 もう狂ってしまいたい。 絶望というには程遠い闇が僕を沈ませる。 僕は何度もここに来た。それも数えきれないほど。 彼女なんてもうここにはいない。 所詮都合のいい話なんて無かった。 ああ、置いていくなよ。前を向けるほど僕は強くないんだ。
みんなの答え
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めちゃくちゃ上手!!
こんちゃっ(^^♪花凜です(。・ω・。) 【本題】 めちゃくちゃ上手!! 読んでくれてありがとう(*'ω'*)ばいちゃっ(^^♪
えっ
こんにちは!妖狐です。 はじめに一つ訂正します。 エべレーター→エレベーターです。 (感想) 面白くて、ちょびっと怖かったです。 感想短くてすみません。
めっちゃ好き…
鬱ですこの話めっっっっっっちゃ好き!!! 言葉選びとか、センスの塊やんな!!!!!!! 鳥肌が一生なおらん気ぃしてきた!!!!! なんかどこがどうすごいとか、すごすぎて言葉にできんけど、めっっっっっっっっっっっっっっちゃすごいし好きです!!!!!!!!!!