一人嘆く
「懐かしいな」 久しぶりに地元に帰った。 空を見上げながら、あの場所に歩いた。 「変わんないな。ここは」 ここは中学生くらいまで遊んでいた場所だ。 みんなで作った秘密基地は今も残っていた。 少し古ぼけていて、埃をかぶっていた。 懐かしい思い出を思い出して、 少し涙を流した。 秘密基地は日陰にあって 扇風機なんかも持ち込んだりして、 「涼しいな」と言い合ったりもした。 でも、思い出せば出すほど涙が溢れる。 彼らはもう帰っては来れない。 1人は他界してしまい、 1人は海外で働いていて、 1人は俺らのことなんか忘れ去ってしまって 全員、きっと戻っては来てくれない。 空を見たってなにも変わらないけど、 昔から泣きたくなると空を見上げている。 空は青くて、何処までも広がっている。 二度と逢えはしないだろうけど。 この現実を覆すことなんかできっこないけど それでも今だけは 今だけは 今だけは どうか 過去を懐かしく感じさせてくれ。 どうか 現実から 逃げさせてくれ