解説のある人生を生きたかった。
ー拝啓、明日を生きる君へ。 手紙の初めはそう書かれていた。 ー嫌いだった。この日々が。 何を言ってるか、さっぱりだ。 私が単純すぎるだけか。 ーずっと僕は病気だった。一昨日が余命の日。 そうだ。知らせは昨日聞いた。 彼は電話で、死にそうで、途絶えそうな声で、 「一日、長い。でも、もう、無理だ」 何が、って最初は思った。 3秒前まで、病気って事知らなかった私も悪い。 窓から見える夕立は、心にグッときた。 知らせが来た時も雨。 いつも、私は何かに遅れをとっていた。 何か、補助がないと次へ行けなかった。 何か、きっかけがないと、何も出来なかった。 単純だから、車椅子の彼を怪我だと思って、 目を背けて。 違う。ほんとは気づいてた。ただ、 無かったことにしたいだけだ。 ー生きろ。 手紙の文字は、そこで途切れていた。いや、まだ 何か書きたい事はあったんだと思う。 手紙の下の方にあった、血の痕から読みとれた。 どうやって、よ。 報告じゃ無くて、「生きろ」じゃなくて、 解説は? 雨は止んで、夕立晴れが見えるのに、 私は泣いている。 彼の病室で。